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"お荷物"-デジタルテレビ廃棄問題
薄型テレビが出始めのころに買った32型のプラズマテレビが“お荷物”となっている―という話を以前この欄に書いたが、「それでも欲しい」という人が現れ、ようやく引き取り手が見つかった。
お荷物だったワケは、処分しようにも旧型ではリサイクルショップに売れず、そのまま捨てるには廃棄料などが必要だからだ。それをタダで引き取ってくれるというのだから、二つ返事で交渉は成立した。
ところが、である。いざ渡そうとして気になることが出てきた。ご存じのようにデジタル放送は、不正コピー防止にスクランブルをかけている。放送を見るためにはスクランブルを解除するB―CASカードが必要だ。
このカードはテレビを購入するときに1枚同梱されており、封を破ることで「使用同意」とみなされることになっている。そして規約によれば、テレビを廃棄する際は発行元である「ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ(B―CAS社)」へ返却しなければならないのだという。
今回は廃棄ではなくB―CASカード込みで譲渡するから、問題はないと考えていた。ところが、B―CASカードをめぐるトラブルが最近頻発しており、気になってきた。
トラブルの元となっているのは、「フリーオ」などのパソコン用地上デジタル放送受信機の登場だ。フリーオはノンスクランブルで放送の録画ができる機器で、録画したデータはコピーや編集も自由にできる。
フリーオは昨年末、ネットでゲリラ的に販売され、数千機が日本で売られたという。このフリーオでデジタル放送を受信するにはB―CASカードが必要だが、当然ながらフリーオにカードは付属していない。そこで、廃棄するテレビやデジタルチューナーからB―CASカードを抜き取り、それがネットオークションなどで取引されているという。なかには、紛失を装ってB―CAS社に再発行させ、フリーオに付けている例もある。
フリーオは明確に違法とは言えないが、“グレーゾーン”の機器であり、フリーオにB―CASカードを使うと契約違反を問われる可能性がある。
つまり、廃棄にしろ譲渡にしろ、デジタルテレビが自分の手元を離れた後、どんな問題が起こるか分からないわけだ。そこで今回は「貸す」ということにし、勝手に処分しないことを条件に引き取ってもらった。
今後、こうした問題はあらゆる人々に降りかかってくるだろう。なにしろ3年後には、すべてのテレビがデジタル化されるのだから。法整備も含め、もっと態勢をスッキリさせないと、本当にテレビが将来“お荷物扱い”されることになりかねない。
