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「言葉のタネ明かし」雨模様-降ってるときには使えません?
「梅雨の時節」にちなんで、「雨」の話を―。
「雨模様」という日常頻繁に使われる言葉があるが、この言葉の意味が何ともあいまいなのである。
もともと「雨模様」は「雨催(もよ)い」が変化したもので、「催」の字があることからも察せられるように、雨が今にも降り出しそうな空の様子をいうのが本来である。
しかし現在では、テレビのアナウンサーも「雨模様のなか、多くの見学者が詰めかけました」と言ったりしている。画面を見ると「降り出しそうな様子」どころか、実際に降っており、傘の花も咲いている。「雨模様」はどうやら、雨が降っていても使える言葉になってしまったかのようだ。とはいえ、大雨のときにはさすがに「雨模様」と言ったりはしていない。また天気予報が「雨模様」という言葉そのものを使わないのも、当然といえば当然だろう。
数年前、手当たり次第に18種の国語辞典で「雨模様」の意味を調べたことがある。降雨時の「雨模様」を許容する辞書はわずか6種にとどまっていた。許容といっても内容はさまざまで、「雨が降ったりやんだりする状態」と限定的に許容する辞書もあれば、「すでに雨が降っている状態」と幅広く認める辞書もあった。なんだか、雨空同様に、スッキリしない結果となった。
(産経新聞大阪編集局校閲部長 清湖口敏)
■その他の「言葉のタネ明かし」
「ぞっとしない」 「死亡」 「伸るか反るか」 「汚名挽回」 「蛙の子」 「嘘」 「悲喜こもごも」 「口腔」
