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日本の病巣~ひきこもる大人たち(9)ネット生活で素リズム狂い
朝、どうしても起きられない。頭の回転も落ちていると訴えるのは、大手企業で研究職に就く加藤さん(仮名)。すでに入社して10年になる中堅社員だ。
そんな年にもなって、なぜ? と思うほど、会社を休みだすと、ずるずる出勤できなくなり、しばらく引きこもりの生活が続いた。
加藤さんは1人暮らし。有給休暇も使いきり、会社は実家の母親に連絡した。すると不思議なことに、母親が駆けつけたとたん、加藤さんは再び出社。母親が滞在した2カ月ほどの間、何事もなかったように出勤を続けた。朝、母親に起こしてもらえるからだという。ところが、母親が帰ったとたん、朝起きられなくなり、また休み始めた。
引きこもりの背景には、家族の影響もあるのか。会社の健康管理室から、精神科のクリニックを紹介して診てもらったところ、うつと思われる症状が揃っているという。また、きっかけが、週休2日制の会社ということもあり、加藤さんは金曜の夜になると、ネットにハマっていたこともわかった。
金曜の夜、加藤さんはほぼ徹夜するため、土曜日辺りから睡眠のリズムが狂いだす。土曜の昼間、1日寝ていて、起きるとまたネットの生活。そして、日曜の昼も寝てしまうので、月曜の朝になると、起きられなくなるらしい。
産業カウンセラーは「原因のネットをやめて、リズムを作ろう」とアドバイスした。すると、しばらくの間は、出勤できる。しかし、母親がいないと、朝、起きれなくなるのだという。
ただ幸いなことに、加藤さんは仕事ができるため、2~3週間休んでも、会社から何も言われなかった。
「母子関係だけの問題ではないと思う。最近の上司は、部下が休んでいても心配しない。コンピュータが職場に導入されるようになり、昔のように後輩を育てるシステムが崩壊してきたのではないか。だから、自分が困ったときに、誰も教えてくれず、上司にも相談できないまま、休みに入ってしまう。暗礁に乗り上げたとき、孤立することも引き金になっている」と、産業カウンセラーは、最近の職場の余裕のなさが、引きこもる大人たちを生み出しているとみる。
次回、欠勤後のその後を追いかける。
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