この記事を読む方におすすめの記事
今!気になるレビュー
宋文洲の会社員哲学(13)無知と無欲の隠れ蓑に
他人の話を遮ってぺらぺらしゃべる人は、どこの社会でも好かれませんが、会議中に一言も発言しない人も同様におかしいと思います。しかし、不思議なことにぺらぺらしゃべる人と比較した場合、黙っている人の評判がいいようです。
このためか、世の中に「沈黙は金」という言い方がありますが、「おしゃべりは金」という言い方はありません。「おしゃべりが銀」という言い方さえありません。この「偏見」は人間の潜在心理に由来するものです。
人間は基本的に他人の話を聞きたくないのです。特に他人の自慢話や持論に苦痛を感じてしまいます。他人の話をありがたいと思うのは褒められた時くらいでしょう。
本来、コミュニケーションという目的から見た場合、しゃべりすぎても無言でも同じようによくないのですが、他人に黙ってほしいという理由から無口だけが褒められるようになりました。
人間の、このわがままの心理を利用して中身の無さと意欲の無さを隠す人も多いのです。何回会議に参加しても発言も質問もしない人が居ます。私は会社を経営していた頃、このような社員に「会議録を読めばいいのでは」と会議への出席をやめるように勧めました。
「沈黙」とは話したい欲を沈めた結果として黙っていることです。「沈黙」は特殊な状況下における高度な表現方法であり、「無口」ではありません。思想と意欲が欠けて議論に参加しない人は「無口」と言えても「沈黙」とはいえません。
「沈黙」を無知と無欲の隠れ蓑にするならば、思うことを口にして人に馬鹿にされ、奮起して勉強した方がよほど自分と社会のためになります。
(ソフトブレーン創業者)
■宋文洲の会社員哲学(1)「給料の男」と「専業主婦」
■宋文洲の会社員哲学(2)社長にならない方がいい
■宋文洲の会社員哲学(3)残業はやめたほうがいい
■宋文洲の会社員哲学(4)生かして楽しむ安月給
■宋文洲の会社員哲学(5)「しきたり」を破ってみる楽しみ
■宋文洲の会社員哲学(6)「先輩」を汚してはならない
■宋文洲の会社員哲学(7)「家族サービス」をやめよう
■宋文洲の会社員哲学(8)仕事を趣味にしてはダメ
■宋文洲の会社員哲学(9)「厚顔」を鍛えよう
■宋文洲の会社員哲学(10)群れない勇気を
■宋文洲の会社員哲学(11)「男は中身」だけではない
■宋文洲の会社員哲学(12)認識見直し幸福に
