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「今週のデジタルうんちく」モバゲータウン(下)閲覧制限に待った!!
無料のゲームや掲示板、日記などのコミュニケーション機能が利用できる携帯サイト「モバゲータウン」は1000万人以上の会員を抱え、そのうちの4割が10代。読者のお子さんも実はモバゲータウンの会員かもしれない。そんな人気のモバゲーを昨年末、超弩級の逆風が襲った。携帯電話事業を管轄する増田寛也総務相が、18歳未満の未成年者に対するサイトフィルタリング(閲覧制限)サービスの原則実施を携帯電話各社(キャリア)のトップに要請したのだ。
出会い系サイトなどでの未成年者がらみの犯罪が増えるなか、未成年者に対するフィルタリング導入については以前から論議されていた。総務相の要請には、百出の議論を主導する意図があった。その効果はてきめんで、各社は年明けから一斉に18歳未満の新規契約者向けにフィルタリングを原則導入した。
総務相の要請は、それまで順調に会員数と売り上げを伸ばしていたモバゲーを直撃した。モバゲータウンはキャリアが運営する公式サイトではないため、他の“勝手サイト”などとともにフィルタリングの対象となった。
これに伴い、モバゲーを運営するディー・エヌ・エー(DeNA)の株価は急落。昨年12月6日に88万円台だったのが、今年1月半ばには48万円台にまで下がった。
ただ、一律に閲覧を制限することには反対意見や異論も多い。既存の未成年契約者に対するフィルタリングについても、総務省の検討会などでは実施内容がまとまらず、NTTドコモとソフトバンクは当初予定していた6月1日から8月に導入を延期した。
大人たちでさえ、どうしていいか迷っている状況だから、当事者の子供たちの不安は大きい。モバゲータウンの中にはフィルタリングサービスについて説明するページがあるが、それ以外にも日記や質問ページなどサイト内のあらゆる場所でフィルタリングについて会員同士の意見交換が行われている。
フィルタリング問題について、DeNA広報グループの田中聡氏は「モバゲータウンでは以前から、分からないことをユーザー同士で質問をして教え合う様子が見られましたが、フィルタリングについても自主的に情報交換しているようです」と語る。
その一方で、DeNA自体もサイトの健全性を高めるための施策を次々打ち出している。その1つがパトロール体制の強化だ。他人への誹謗・中傷が日記や小説コーナーなどで行われていないかを、システムと人の力でチェックしている。
パトロールセンターは東京と新潟の2カ所にあり、現在、420人が交代で24時間、サイト内をチェックしている。不適切なサイトや表現が発見されると、その内容に応じて1日から最大1年間の活動(アクセス)停止というペナルティーも設けられている。
「モバゲータウンで初めてネットの世界に触れる子供もいます。啓蒙という意味も込めた活動の一環です」と田中氏は言う。
コミュニケーションサイト=出会い系、と短絡的に考える人はまだ多い。だが、モバゲータウンでやり取りされる“会話”の大半は他愛のないものであり、子供たちはそこでネット社会ならではの友情を育んでいる。その実情が大人たち―とくに政治家や官僚、有識者と呼ばれる人たち―になかなか理解されないのは、コミュニケーションの手段が(大人たちの苦手な)携帯電話で、交わされる内容が(大人たちに通じない)若者言葉だから、ではないだろうか。
このままでは、モバゲータウンで一度もやり取りしたことのない人たちによってモバゲー規制の動きが進むということも十分考えられる。それはどう考えても、おかしな話だ。
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