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劇団「二兎(にと)社」主宰 永井愛さんと読書
本は好きですが、新刊を次々と読むことはしません。読むなら現代小説ではなく、何か大きな物語をじっくりと思っているからです。
最近読んだそんな本が樋口一葉作品。きっかけは戯曲『書く女』を書くためでした。『たけくらべ』などは読んでいましたが、処女作から遺作まで全作を原文で読み、一葉が作家(書く女)になる転機を探るスリリングな体験でした。
関連して読んだ島崎藤村の『桜の実の熟する時』は私小説ですが、時代に対抗する青年の野心的悩みが描かれ、スケールの大きさが感じられる本です。
一葉や漱石に親しむのは大人になってからで、高校時代はもっぱら世界文学全集。フローベールの『ボヴァリー夫人』やゾラの『ジェルミナール』など登場人物が重層的に描かれていて、それらが複雑に絡みあうように群像劇のような味わいを感じました。
小説以外では最近、上野千鶴子さんの『おひとりさまの老後』を読み、老後の見方が変わりました。『歌わせたい男たち』が最新の自著。日の丸、君が代問題を扱った戯曲です。 (劇作家・演出家)

