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『無間道』 星野智幸著
自殺が蔓延し、路上のいたるところで遺体が腐敗や乾燥し、鳥やけものに食い荒らされるままに放置される社会に生きる青年・山城竹志は、「一緒に逝こう」と誘う恋人の彩乃にうんざりし、「そんなに逝きたきゃ1人で逝け」と突き放した。翌日、彩乃は自宅で首をくくり自殺。“ソロ(1人)で逝くのは恥”とされる社会的風潮の中で恋人を1人で死なせた竹志は針のむしろに座るような居たたまれなさを味わう表題作。
生活行動のすべてが監視され、自由に恋愛できない近未来的世界で、恋に落ちてしまった若い男女が社会の欺瞞に気づき新たな世界を目指して脱走する「煉獄ロック」、本気の証としてリストカットや飛び降りをする高校生たちの日常を描いた「切腹」の3編を収録する。
幻想的な設定の中に、自殺大国日本の現状を感じさせる短編集だ。 (集英社・1680円)
