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『日本人の愛した色』吉岡幸雄著
京都で江戸時代から続く染織工房「染司(そめのつかさ)よしおか」の5代目当主が、日本で愛されてきた色についてさまざまな角度から語る本。
墨に近い紺色を「褐色(かちいろ)」といい、戦国武将たちは「かち」を「勝ち」にかけて縁起を担ぎ、武具の革などを好んでこの色に染めたそうだ。
紫が高貴な色とされているのは中国の神仙思想の影響で、日本では聖徳太子が制定した冠位十二階の最上位「大徳」に濃い紫があてられ、その後の基礎となったという。
また、藍染には虫除け効果があり、紅花で染めた紅絹(もみ)は血行を良くし保湿性に富む…など生活に役立つ色の作用も知ることができる。
レッドやブルーなど大ざっぱな外来の色分けに慣れてしまった現代日本を嘆き、古来から日本にある繊細な色彩を甦らせようという心意気を感じる。 (新潮選書・1260円)

