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「言葉のタネ明かし」無人島-本籍とする人を"住民"と考え
同じ漢字熟語でも、読み方が違えば意味も随分異なってくるものがある。テレビ出演者の発言などを聞いていても、たまに「あれっ」と思うような読み間違いに気づく。
例えば「上手」。ジョウズと読むのとウワテと読むのとでは、まったく意味が違い、「あっちが一枚上手だった」を「一枚ジョウズだった」と言ったのでは、何となく意味は通じるものの、耳がこそばゆい。
「金星」「見物」「色紙」「素振り」「人気」なども同様だ。「シャッター通りとなった商店街は、昼でもほとんどニンキがありません」。そりゃそうでしょう。誰が好きこのんで、そんなさびれた商店街に行くものですか。ニンキがないのは当然だ…ではありません。人の気配、つまりヒトケがないのです。
ところで、日本の領土でありながら、中国が「岩」と主張している沖ノ鳥島(東京・小笠原村)には、日本人の住民票登録はないにしても、本籍として登録している人は122人に上る(2005年5月時点)。
この島のことをわれわれはつい、「むじん(無人)島」と言ってしまうのだが、ここを本籍とする人を“住民”と考えて、ひとつ「ぶにん島」と呼んではいかがか。広辞苑によれば、「無人(むじん)=人のいないこと」「無人(ぶにん)=人数の少ないこと」…。
(産経新聞大阪編集局校閲部長 清湖口敏)
■その他の「言葉のタネ明かし」
「拉致」 「ぞっとしない」 「死亡」 「伸るか反るか」 「汚名挽回」 「蛙の子」 「嘘」 「悲喜こもごも」 「口腔」
