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第3、第4次中東戦争が日本に伝える教訓

■週刊軍事情報
 今年はイスラエル建国から60年。先月14日はその記念日で、今月5日は日本にとっても多くの教訓を含む第3次中東戦争の戦端が開かれた日だった。この戦争は遠く離れた国の過去の出来事のようだが、「戦略環境の変化」という点で、今の日本の状況を考える上で大いに参考になる。

 イスラエルとアラブの大規模な戦争のうち特に注目すべきは、第3次(6日間戦争、1967年)と第4次(ヨム・キプール戦争、73年)の中東戦争だ。

 「第3次以前のイスラエルの国土は最も狭いところで9マイルほどしかなく、戦略的縦深性が欠如した状態。侵攻されたら守るのは非常に難しい。ということは防衛戦略はとれず攻勢戦略が基本になる」と杉之尾宜生・元防衛大教授(戦史)。敵が攻撃しそうなら先に敵をたたくということだ。

 そのため第3次ではイスラエルは先制攻撃に出る。6月5日午前7時45分という敵が油断する時間を狙って空軍が奇襲をかけ、結果、戦前の4倍近い領土を手にした。そのことがイスラエルに重大な戦略転換をもたらした。

 「そこそこの縦深性が確保されることになり、防勢戦略に国家戦略を転換した。剣道でいえば『後の先』、つまり相手が攻撃してきたら相手を攻撃しようという戦略」(同)だ。

 その上にエジプトの大統領が72年にナセルの急死によりサダトに変わったことでエジプトも限定戦争戦略へと戦略を変えたが、イスラエルはサダト大統領がどう出るのか、読みを誤った。そして70年10月6日に始まった第4次では、今度はイスラエルが奇襲を受け、機甲部隊を中心に大損害が発生した。

 この出来事から得る教訓は何か。「サダト大統領はしぶとい男で、着々と戦争の準備を進めた。金正日総書記もそういう頭脳を持っていることを忘れてはいけない」と杉之尾氏は警鐘を鳴らす。

 日本の現状に擬すと、サダト大統領は金総書記に、戦略環境の変化は中国の台頭、ロシアの復活、米軍再編や原油高騰のようエネルギー事情などにあてはまるのではないだろうか。

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投稿日: 2008年06月20日

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