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『人工庭園』横尾忠則著
かの三島由紀夫が非常に気に入り、自決したその日まで氏の書斎に飾られていた「眼鏡と帽子のある風景」という横尾の作品がある。見れば、随分、メルヘンチックで“横尾らしさ”があまり感じられない。何しろ、横尾自身が「どうしてこの絵が気に入られたのか、いくら考えても解らない」と書いているほどなのだ。三島ほどの「天才」になると、絵を見る基準も凡人とは違うのか。
その文の中で横尾は、三島が好きな画家の1人として挙げた竹久夢二について、「大嫌いだ」「あの抒情性が許せない」とメッタ斬りにしている。ちょっと意外な感じがしたが、嫌いな理由は、「ぼくの中にある負の性質だからかもしれない」からという。これには大いに納得した。
5歳の模写から最近の作品まで105点をオールカラーで掲載し、自身が解説をつけた豪華本。「横尾ワールド」全開である。(文芸春秋・3300円)
