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瀬名秀明「イヴのみる夢」(37)未来技術の"予言"を一般公募
ドラマがいい場面なのにトイレに行きたくなってきた。そんなときは「トイレにいったことにしてくれる機械」……こんなユニークな医療機器が100年後には実用化されている?
長崎で日本外科学会の定期学術集会が開催され、「21世紀の予言アイデアコンクール」の優秀作が発表された。1901年に報知新聞が20世紀の科学技術を予言する記事を掲載している。現在のテレビ電話やインターネットショッピングを予言したこの記事を知った長崎大学の兼松隆之教授が、学会で未来への夢を公募した。優秀作は日本大学芸術学部の学生たちがアニメにして上映する。学会が一般の人たちと夢を語り合うこのようなイベントは画期的で、私もノンフィクション作家の最相葉月さんと特別審査員として参加した。
医療系の優秀作を紹介しよう。たとえば「人の痛みがわかる機械」は、医師が患者さんの気持ちを的確に知って治療に役立てるだけでなく、私たちの日常でも大切な発明になるはずだ。沖縄県の小学生が考えてくれたのは「病は気からの気を吸うロボット」。この機械があればどんな病気も治ってしまうので医師は必要ない? いや、未来の医師は「病気とは何か」をわかりやすく説明してくれる人なのだ。
「いつも家族を見守ってくれるロボット・ドクター」のアイデアを送ってくれた子は、実際に自分が病院に入院したとき、ひとりで目覚めて悲しい気持ちを体験したという。だから未来のロボット・ドクターは治療してくれるだけでなく患者さんと気持ちを通わせてくれる。「微生物の有効利用による人工透析」という鋭い予言を送ってくださった方もいた。
最優秀賞の「カタツムリで再生医療」は、カタツムリが竹籤(ひご)を難なく渡り、粘液をうまく利用して進むその特徴を医工学に応用しようという斬新な発想だった。すぐれたアイデアは人の心を動かし、未来を創る。さて100年後の未来人は、この予言を振り返ってどのように感じるだろう? そのときが楽しみだ。
■瀬名秀明「イヴのみる夢」
(36)感情スイッチで皮膚に紋様
(35)蛇のように膜でドライアイ防止
(34)未来の福祉ロボットのヒント
(33)他者の痛みが分かる「感情移入」能力
(32)セクシー美女が大バクチを呼ぶ
(31)骨伝導で語学学習や音楽を堪能
(30)体格と性格の相関をメタボ対策に応用
(29)お菓子感覚でキッズサプリ
(28)ご飯のお供にワクチンふりかけ
(27)歩くだけで5ワット! 人体発電機
(26)ミトコンドリア・ダイエット
(25)肥満解消に魔法の弾丸
(24)脳に埋めたチップが支援
(23)遺伝子操作で神経回路オン・オフ
(22)細胞をプリンターで印刷
(21)家禽の遺伝子改変で抑制も
(20)脳を活性化するサービス
(19)日本語は感染症予防に効果的!?
(18)心の痛みに効く処方
(17)“予知”能力もトレーニングできる
(16)「ゆらぎ」を活用する生命
(15)標識付きウイルスで伝播追跡
(14)父親から受け継ぐ「寿命の回数券」
(13)人類のⅠ型糖尿病も同じ!?
(12)「し忘れ」と「し間違い」の脳科学
(11)体外離脱でメンタルヘルスケア
(10)仮想空間で運動障害をリハビリ
(9)「アルツハイマー病予防で残りの人生謳歌」
(8)「ロボットと運動する楽しさ」
(7)「ペットが分身に?」
(6)「オヤジ臭さ」撃退!
(5)「人間の脳と機械の体を"融合"」
(4)「自分の脂肪でケータイ充電」
(3)「自分の一部を機械が操作」
(2)「ゲノム情報を読み取る」
(1)「ミトコンドリア占い」

