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「今週のデジタルうんちく」ソーシャルブックマーク(中)「ためになる記事」測る指標に
ウェブページのブックマーク(お気に入り)を他のネットユーザーと共有できる「ソーシャルブックマーク」(Social Bookmark、以下SBM)紹介の2回目。今回はSBMの機能がもたらす“思わぬ盛り上がり”について。
前回紹介したように、SBMにはブックマークしたページの内容に対してコメントやタグ(分類語)を付けられる機能がある。当初はSBMのユーザーがブックマークする際の覚書(メモ)用だったが、最近はSBMの利用者が増えたため、ブログのコメント欄のような感覚で使われている。
ブログの登場により、記事にコメントを付けることが容易になったが、いわゆる炎上などを嫌ってコメントを受け付けないブログも多い。また、ニュースサイトの記事なども基本的にコメントは受け付けていない。
ところがSBMは、どんなページもブックマークできるうえ、そのページの記事にコメントが付けられる。しかも、そのコメントは多くのSBMユーザーが見ることができる。いわば“裏のコメント欄”の役割を果たしている。
SBMのコメントがやっかいなのは、その元記事を書いた人が手も足も出せないことだ。自分のブログに寄せられたコメントなら、それを載せるかどうかは記事執筆者(=ブログ運営者)が判断できる。場合によっては一度載せたコメントでも削除できる。だが、SBMのコメントを消すことは(決して不可能ではないが)難しい。
象徴的な例を挙げよう。先日、ある著名なブロガーが自分のブログサイト上で、「今後のコメントはすべて事前に自分が目を通して承認したものだけを載せる」と宣言した。この記事に対し、いくつの意見が寄せられたかは分からないが、6月7日の時点で当の記事には37件のコメントが付いている。いずれも、このブロガーが“承認”したコメントと思われる。
ところが、日本の代表的なSBMサービスである「はてなブックマーク」には同じ記事に対して365のブックマークが付けられ、うち140件以上にコメントが付いている。当然、これらのコメントはブロガーが“承認”したものではない。「コメントを制限する」と表明した記事に対し、SBMでは自由にコメントが付いているのだ。皮肉な話ではある。
ただ、SBMはユーザーにとって価値があると判断されたページが登録されることが多いので、仮に反論でも罵詈雑言のコメントが載ることはほとんどない。逆に、反論も反響のひとつと考えれば、SBMのブックマーク数は人気のバロメーターとも言える。
従来、ウェブページの“人気度”は「ページビュー(PV)」と呼ばれる閲覧回数で判断されていた。だが、PV数が多いからといって、それを読んだ人が「ためになった」「誰かに教えたい」「もう一度読もう」と思ったとは限らない。
逆に、PVは少ないながらもSBMでは多くのブックマークが付く記事もある。以前もこのデジタル面で紹介したが、「夕刊フジBLOG」に転載した「一瞬で10ページの企画書を完成させるフォーマット」という記事には、1246件もの「はてなブックマーク」が付いた。また、本紙中面の料理コラム「超簡単!大トロなみの旨さ『アボカドの塩辛』」は541件ブックマークされている。
これらの記事のPVは、ZAKZAKに掲載されたニュース記事より、はるかに少ない。にもかかわらず、“重要度”という点では一般ニュースを凌駕している。SBMを見ると、「読まれる記事」と「ためになる記事」は必ずしもイコールではないことがよく分かる。
