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地道な外国人獲得努力が実を結んだ広島、ヤクルト

■江尻良文編集委員「球界に直言!」
 今季からトレード、新外国人選手獲得の期限が1カ月延長され、従来の6月30日から7月31日までになる。トレードは相手のあることだから難しく、新外国人選手獲得に走る球団が多くなるだろう。が、これまでのように「下手な鉄砲数撃ちゃ当たる」方式ではドブにカネを捨てるようなものだ。

 そこで、今季ピカイチの新外国人選手・ルイスを獲得した広島の成功例を披露しよう。「エース・黒田がドジャース、4番・新井は阪神にそれぞれFA移籍。最下位は決まったようなもの。広島は悲惨だ」と言われたのに、巨人、ヤクルトとクライマックスシリーズ出場権のある3位争いを演じる大健闘。その原動力がすでに2ケタ勝利をあげているルイスであることは誰もが認めるだろう。

 「いや、本当にいい投手だよ」とライバルのヤクルト・高田監督が舌を巻く。こんな素晴らしい新外国人投手をどうやって探し出したのか。広島OBがこう胸を張る。「3年間くらいかけて1人の外国人選手を長いスタンスで追いかけているからね。いい時だけ見て取っても失敗するよ。悪い時にはどの程度かという見極めも必要だからね。それで実際に交渉するのは、あまりよくない時にする。そうすれば、安く取れるからね。いい時はどうしてもお金がかかる。広島はお金のない球団だからね」。

 なるほどという説得力がある。03年にメジャーのレンジャーズで10勝の実績があるルイスだが、昨年は3Aで8勝3敗の成績と平凡だ。広島の外国人選手の相場としては高い年俸9500万円も、2ケタ勝利ですでに元は取っている。広島同様にエース・グライシンガー、4番・ラミレスを巨人に取られたヤクルトも、この2人をはじめ掘り出し物の外国人選手獲得には定評がある。ヤクルト関係者は広島OBと全く同じようなことを口にしている。

 「ウチは最低でも1人の選手を3年間は追いかけて、その結果をトータルに見てから獲得する。だから日本向きのいい選手を取れるんだよ。ペタジーニもラミレスもそうだ」と―。今季、リリーフエースとして大活躍している、元韓国球界のセーブ王・林昌勇に関しても高田監督がこう明かす。「右ヒジの手術後の2年間、働いていないのは承知の上で取っている。が、復活すれば、抑えを十分やれるという判断で取った。それが成功した」。

 何年間か調査、リスクを十分計算に入れた上でどれだけ働けるのか、冷静に損得勘定をしてから獲得する。広島もヤクルトも成功の秘訣は同じだ。札束積んで、他球団の掘り出し物外国人選手トリオ、ヤクルトのエース・グラインシンガー、4番・ラミレス、横浜の守護神・クルーンを獲得している巨人などは、恥ずかしいと思わなければいけないだろう。広島、ヤクルトのような地道な企業努力をしていないのだから。

投稿日: 2008年06月28日

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