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「ビジネスを勝ち抜く 独創脳の作り方」(上)すべてはポジティブ思考から

企業にも、サラリーマン個人にとっても、競争を勝ち抜くには、いかに独創的な発想ができるかが大切。ただ、それも天性のものだから…とあきらめてはいないだろうか。実は最近、脳神経医学の立場から「脳が考える仕組み」解明の道筋がつけられ、「独創力」を高める手法が明らかになりつつあるという。3回にわたって紹介しよう。
「先生、考えがまとまらないのです。なんとなく気力が出ないんです」
こんな患者の日常的な訴えから脳が考える仕組み解明の入り口が見え、ひいては独創的な創造力を高める方法の判明につながったというのは、日本大学大学院総合科学研究科の林成之教授(救急医学)。
急性脳梗塞に倒れたサッカー日本代表のオシム監督(当時)も救った「脳低温療法」の開発者として世界的に知られる林教授。「独創的発想力」の高め方についても、先ごろ「思考の解体新書」(産経新聞出版)を出版している。
そんな林教授によれば、「頭をよくするためには、まず記憶力が重要」だという。記憶は「ダイナミック・センター・コア」(DCC、イラスト参照)と呼ばれる部分で生み出されるが、これは前頭前野、線状体、視床など脳の中心部分のこと。ここでは記憶のほか、「考え」「感情」「自己意識」も同時に生み出されている。だから、この部分の活性化がポイントになるというわけ。
具体的には記憶の「反復」、それも猛特訓のような極限状態での反復と「否定語を使用しないこと」だ。「覚えるものに興味を持ち、自分から覚えよう、考えようとする習慣を身につけ、人を好きになる人間性を鍛えることが、記憶のプロセスとして非常に重要なんです」
「難しい」「そんなの意味ない」などの否定語を頻繁に使うようでは、記憶能力を自らダメにしていくことになる。“ポジティブ思考のススメ”といったところだろうか。
記憶力と並んで大切なことは、脳とは本来「間違いやすい脳」だということ。それを「間違いにくい脳」に変えることが独創的発想力につながる。自分の脳が「間違いやすい脳」かどうか、別表の自己診断テストをしてみてほしい(判定は本文末尾)。
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間違い脳の自己診断テスト
左右の言葉が同じかどうかを30秒で判断して下さい
(1)目的 目標
(2)新しい試み 進歩
(3)うまい頭の使い方 頭がよくなる
(4)無駄を省く 効率的
(5)慎重 失敗しない
(6)早い 上手
(7)美しい すばらしい
(8)正確 確実
(9)がんばる 達成する
(10)猛練習 鍛える
(「思考の解体新書」から)
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人間が物事を認知、記憶するのは、脳細胞同士の情報のやりとりで作られる脳細胞のネットワークを情報伝達パターンにし、さらにこのパターンの組み合わせによっているとされる。
「正確にものを見る習慣がない人、人の話を注意深く聞かず、アバウトに聞いている人はしっかりした神経伝達パターンができず、似たようなパターンがいくつも作られる。パターンの違いを区別することが難しくなれば、正しく認識する基準も甘くなる。少しぐらい間違っていても正しいと誤って考えるようになる」
こういう人が、勘違いや誤解が多く、人の意見に左右されやすく、暗示にかかりやすいというわけだ。
さて、自己診断テストの正解はすべて「×」。5点以下ならアバウト思考だ。
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林成之(はやし・なりゆき)
1939年、富山県生まれ。日大医学部、同大学院医学研究科博士課程修了後、マイアミ大救急救命センターなどに留学。94年に日大医学部附属板橋病院救命救急センター部長、2006年から現職。07年に国際脳低温療法学会会長賞を受賞。
