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サラリーマン小説再読『毎日が日曜日』(1976年刊・新潮文庫・860円)

毎日が日曜日 扶桑商事の沖直之は海外勤務を終え、ようやく落ち着けると思った矢先、京都支店長を命じられる。単身赴任で、2人の帰国子女を抱える妻は嘆く。彼は会社では4級職。本社のC級課長に相当し、48歳の沖はまずまずの出世だ。

 そんな沖に、東京駅で見送りにきた同期は「京都へ行けば、毎日が日曜日だな」とささやく。京都支店は閉鎖が噂される戦力外支店だった。確かに京都での仕事は小規模で、前社長で京都に住む相談役の“お守り”こそあれ、海外での過酷なまでの圧迫感はない。

 一方、沖の仲人であった笹上丑松は5級職で定年を迎え、退職の日、皆の前で「バンザーイ」と叫んだ。暢気に暮らす計画を立てていたからだ。沖とは別の意味で「毎日が日曜日」の生活が始まる。だが、すぐに無聊(ぶりょう)に苦しめられる。そんな折、沖の息子・忍がバイク事故で大怪我し、笹上は忍の看護に生き甲斐を見つける。

 沖はといえば、ついに京都支店が閉鎖になり、本社に呼び戻され、トラブル処理担当に。マダガスカルから輸入したものの冠水し、廃棄することになった綿実の投棄場所さがしに奔走する。縁の下の力持ちの仕事だが、沖には「毎日が日曜日」が幸福ではないことだけはわかっていた。

 流行語にもなったタイトル、企業戦士への鎮魂の書は今なお、サラリーマンにしみるはずだ。
 (文芸コラムニスト・長野祐二)

「毎日が日曜日」

投稿日: 2008年07月02日

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