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2008年上半期・未解決事件ファイル
通り魔に一家殺し、そして天変地異…。毎日のように起きる「衝撃的な事件」は、その直前に起きた「衝撃の事件」をすぐに忘却のかなたに追いやってしまう。事件を報じる立場の新聞記者でさえも記憶が定かでなくなるほどだ。そこで、自戒の意味も込めて、今年上半期(1―6月)に起きた事件の中から未解決の5件を改めて振り返ることにした。事件発生から半年足らず―犯人はまだ捕まっていない。
【愛知県豊田市・女子高生殺人事件】
のどかな田園地帯が広がる愛知県豊田市の郊外。ゴールデンウイーク真っ最中の5月3日、愛知教育大附属高1年、清水愛美さん=当時(15)=が自宅から約1キロ離れた農道で遺体で発見された。
事件が起きたのは5月2日午後7時20分ごろ。清水さんは部活の帰り道で被害にあった。
愛知県警特別捜査本部によると、清水さんの顔面には目や鼻を中心に殴打された痕があり、首には配管補修工事で使われる伸縮性のある黒いテープ(幅3・8センチ)が7重に巻き付けられていた。口の中には声が出せないようにタオルが押し込まれた形跡もあった。死因はテープを口に強く巻き付けられたことによる窒息死とみられる。
現場には携帯電話などが残されていたが、清水さんのスポーツバッグは現場から約15キロ離れた同県岡崎市内の土手で発見された。バッグからはジャージーの上下や下着などがなくなっていた。特捜本部では単独犯とみている。
清水さんは事件前、自らの携帯電話プロフに《なんであんな日に限ってみちゃったのかなあ…ほんともういや…》《なんかこわいんだけど》《気持ち悪い 部活どうしよ》などと事件に関係するような書き込みを行っていた。また、事件現場付近では女性が被害にあう犯罪が多発。周辺住民からは「変態ロード」と呼ばれていた。
特捜本部は現在、捜査員70人態勢で捜査を進めている。
情報提供は愛知県警本部(電話0120・40・0538)まで。
【京都府舞鶴市・女子高生殺人事件】
5月8日午前8時45分ごろ、京都府舞鶴市の朝来川近くの雑木林で同市在住の東舞鶴高浮島分校1年、小杉美穂さん=当時(15)=の遺体が発見された。
京都府警捜査本部の調べでは、遺体は土をかけられ、耳や指の部分だけが露出した状態だった。顔や後頭部に繰り返し殴打された痕があり、複数の個所が骨折。首には植物のつるや枝が巻かれていた。死因は重い鈍器で頭部を殴打したことによる失血死という。
小杉さんは6日深夜から7日未明にかけて外出。自宅から7キロ離れた発見現場までのガソリンスタンドや府道に設置された複数の防犯カメラに小杉さんと自転車を押す男性が並んで歩く姿が映っていた。小杉さんの携帯ブログには誰かと待ち合わせしたと思われる記述もあった。
捜査本部は防犯カメラの画像を公開。男性は身長170―175センチ。背中に白い縦のラインが入った黒っぽい上着と、黒か紺色のジーパンのようなズボン姿。野球帽のような帽子をかぶり、黒っぽい自転車の前かごに白い物を入れていた。
同府警本部では、この男性を捜すとともに、聞き込みや現場資料の鑑定などを中心に引き続き捜査員78人態勢で捜査しているという。
情報提供は京都府警舞鶴署捜査本部(電話0120・750・121)。
【東京都江戸川区・19歳女性不明事件】
東京都江戸川区の無職、石田佳奈子さん=当時(19)=が4月5日午後、江東区の亀戸駅前から姿を消した。山梨県警や自宅に携帯電話で「殺される」などと複数回通報したのを最後に消息を絶った。
同月11日、家族からの通報で捜索を続けていた警視庁捜査1課は青梅市の無職、塩野直樹容疑者(26)を石田さんの監禁容疑で逮捕した。
調べでは、塩野容疑者は出会い系サイトで知り合った石田さんを山梨県甲州市の柳沢峠付近まで車で連れ出し、車内で覚醒剤を石田さんに打ったという。塩野容疑者は「その後、石田さんは急に暴れ出して社外に出た」と供述している。
塩野容疑者は覚醒剤常習者で、薬物で女性を誘い出す目的で出会い系サイトに書き込みを行っていた。車内からは複数の女性の筆跡で「行方不明になっても責任は問いません」などと書かれた“宣誓書”が発見されている。
警視庁は峠付近を捜索。廃虚となった別荘などから石田さんのバッグやブーツなどを見つけたが、いまだ石田さんは発見されていない。
「いまも捜索は継続しているが、捜査員は大幅に縮小。新しい目撃情報もなく、捜査は行き詰まっている」(捜査関係者)という。
情報提供は警視庁小松川警察署(電話03・3674・0110)まで。
【大阪府守口市・乳児殺害事件】
1月16日午後6時45分ごろ、大阪府守口市の民家に何者かが侵入。この家に住む母親(22)を縛り、生後18日の長男の鼻と口を粘着テープでふさいだうえで、現金数万円を強奪した。
母子は約4時間半後に発見されたが、長男はすでに死亡。大阪府警捜査1課が強盗殺人事件として捜査したが、有力な情報はなく捜査は難航した。1週間後、事件を苦にした母親が自宅近くの歩道橋から身を投げて自殺した。捜査はいまも続いているが、依然として有力な情報は得られていない。
【毒ギョーザ事件】
昨年末から今年はじめにかけ、千葉・兵庫両県の3家族計10人が中国・湖南省石家荘市の天洋食品で製造された冷凍ギョーザを食べて重篤な食中毒を起こした。両県警の調べで、ギョーザからメタミドホスなど有機リン系殺虫剤が検出された。
また、同工場内で製造された他の製品からも農薬が検出されたことで騒動は拡大。外交問題にまで発展した。両県警は殺人未遂容疑で捜査しているが、混入経路や犯人について、はっきりした手がかりはつかめていない。
