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「シニア移住」"メッカ"を訪ねて(上) 北海道伊達市-北の湘南

シニア移住 来週、環境サミットが開催される北海道・洞爺湖。その地に隣接する人口約3万8000人の街、伊達市が「中高年(シニア)移住の 聖地(メッカ)」として、にわかに脚光を集めている。

 「今年も6月末から11月まで、伊達市近郊のゴルフ場内にあるコテージを借りて家内と2人で滞在です。夏は伊達、冬は東京の自宅という暮らしがこの数年続いています」と話すのは、元・鉄鋼所経営、吉田忠さん(仮名、65)だ。

 吉田さんは、親から受け継いだ会社を拡大した後、M&Aで売却。60歳で社長業を退き、相当額の資産を手に入れた。

 その資金を元に、料理研究家の奥さんと悠々自適のシニアライフを始めたが、以前、夫婦で北海道旅行をした際、環境の良さに目を付けていたのが新千歳空港から車、電車(特急)とも1時間30分前後で訪れることができる伊達市だった。

 「若いころ、ニューヨークで暮らしていた経験もあるので、海外移住も考え、物価の安い東南アジアもいいかなと考えましたが、年を取ると和食が食べたくなる。しかも病気になったら海外では不安。そんな時、偶然、伊達市を知ったんですよ」と吉田さん。

 道南西部で、噴火湾に面し、南を海、北を山、西に洞爺湖を望む伊達市は、北海道にしては冬の雪が少なく、温暖で快適な気候から「北の湘南」とも呼ばれている。中心部に大型スーパーや専門商店街が集積するコンパクト・シティ化が進み、活気ある街作りが行われている。そのため全国住宅地価上昇率ではナンバーワンも記録。過疎化が進む地方自治体の中で、人口を維持している。

 その原動力となっているのが、本州などからの移住者。「月5万円もあれば市内で庭付きの一戸建てが借りられ、近郊なら家庭菜園もできる庭付き分譲住宅が500万円代後半から手に入ります」と吉田さん。

 洞爺湖を望むゴルフ場やスキー場も近く、伊達市の飛び地市街地に編入された大滝村には、渓谷沿いに温泉がわき、森林浴ウオーキングも楽しめる。食事も道内有数の野菜の産地が郊外に控え、目の前の噴火湾では新鮮なウニ、イカ、近海魚が豊富に採れる。

 こうした住みやすさと快適な環境を求めて、この5年間で約2000人の中高年移住者が、伊達市に集まっている。神奈川県藤沢市出身で、本物の“湘南育ち”の吉居大輔さん(44)は、大手商社・伊藤忠元勤務の脱サラ組だ。 

 「札幌に赴任していましたが、家庭を犠牲にしてまで働く環境に嫌気がさし、子供の理想教育を求めて移り住みました」という吉居さん。起業経験を生かし、新たに移住してくる人たちに、現地を案内する「移住コンシェルジュ」事業を立ち上げ、移住者間のネットワーク作りを進めている。

 この他、川崎市から移住し、家庭菜園の付いた160坪の新築住宅を購入、4年前から冬も伊達で暮らす60歳代の夫婦もいる。

 そして、この夏も、多くの中高年が“メッカ”を訪れている。
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 ■伊達市 人口3万7277人(2008年5月現在)、表面積444・3キロ平方メートル。住宅地の基準地価上昇率で03年に全国1位と3位、04年は2位。道内有数の恵まれた気候を生かした「だて野菜」、ホタテ貝、秋サケの産地としても有名。

投稿日: 2008年07月07日

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