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ダビングテンの問題テン
利害関係者の調整に手間取り、早期実施が危ぶまれていたデジタル放送の「ダビング10(テン)」が急転直下、7月4日午前4時からスタートすることになった。対象となるのはブルーレイディスクやDVD、テレビパソコンなどの「ハードディスク(HDD)搭載で録画できる機種」だ。開始を前に、その内容と問題点を整理してみた。
テレビのデジタル放送は、録画した番組の不正コピーを防ぐため「コピーは1回のみ」の制限がかかっている。これを「コピーワンス」という。現在、HDDに録画した番組データをDVDなどにダビングするのは「コピー」ではなく「ムーブ」(移動)で、移動と同時にHDDのデータは消去される。
これを9回までコピーできるようにし、10回目にムーブが行われるのが今回の「ダビング10」だ。コピーワンスで万が一ダビングに失敗すると、データそのものが消えてなくなる恐れがあったので、ダビングをよく行うユーザーには一安心だろう。
また、DVDだけでなく携帯プレーヤーなど異なるメディア(機器)にもダビングできるので、録画データの用途が広がる。このように、ダビング10はシバリが厳しすぎたコピーワンスに対するユーザーの不満を完全ではないが、ある程度解消している。放送局や録画機器メーカー、著作権団体の三者が歩み寄った結果だ(紆余曲折はあったが…)。
次に、「ダビング10」を利用する際の具体的ポイントを述べよう。ユーザーがまず気になるのは、手持ちのレコーダーがダビング10に対応しているかどうかだろう。これは更新ソフトを放送波に乗せて送り込むので、対応機種であれば自動的にダビング10対応になる。
対応機種かどうかは発売時期で分かる。パナソニックは2006年7月、ソニーは06年11月、シャープは07年2月、東芝は07年10月以降の製品などとなっている(各社サイトで要確認)。残念ながら、それ以前の機種は対応しておらず、買い替えが必要だ。パソコンの場合は、各社がサイトで提供するソフトをネットからダウンロードする。
対応後もいくつかの留意点がある。まず「孫コピー」ができない点。ダビングしたディスクから次のDVDなどへはダビングできない。また、10回ダビングするまではHDDから自動的に消すことはできない(手作業による消去は可能)。CMカットなどの編集もできない。使用するディスクも「CPRM対応」(デジタルコピー対応)でなければならない。また、WOWOWなどの有料チャンネルではダビング10対応の番組はかなり少ない。
そもそも、こうしたコピー制限が必要なのかという根本的な論議もあるが、いまはまず、ユーザーにどれだけの負担がかかるのかが最大の関心事だろう。負担が大きいようなら、日本独自の“録画文化”が衰退する恐れもある。
