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NHK大河ドラマ「篤姫」の徳川家定に学ぶ うつけのススメ
高視聴率のNHK大河ドラマ「篤姫」。人気の要因の一つが、堺雅人演じる十三代将軍・徳川家定の“うつけ(おろか)”ぶり。将軍という己の運命を呪ってうつけのふりをするという設定だが、これ、サラリーマンも使えないだろうか。ストレスでうつになるくらいなら、ときにはあえてうつけになる…。実は専門家もおすすめの生き方なのだ。
ドラマでは、御台所の篤姫から“うつけ”のふりを見抜かれ、それをきっかけに夫婦愛が生まれた。うつけのふりをしたことについて家定は兄弟たちが早死にし、1人残されて将軍職についた「己の運命を笑うため」と告白した。
その家定は次回13日の放送で姿を消すが、NHKには堺・家定に対する反響が多く寄せられている。「堺さんの演技に対するものが大半」(番組広報部)で、「もっと家定のシーンをたくさん見たい」「長く生かしてほしい」や、家定の人物像について「じつは頭が良さそうに見える」「かっこいい」「人間的なお殿様なんですね」といった見方も。
史実はどうなのか。作家の楠戸義昭さんによると、「豆を煎ったり、芋を蒸かしては側近に与えたり、庭でアヒルを追いかけたという伝承はあります。越前の松平春嶽から“芋公方”と呼ばれ、“暗愚”な将軍ともみられた」。
また、謁見した米総領事・ハリスの日記にある「頭を後方にぐいと反らし、同時に右足を踏み鳴らし、これが3、4回繰り返された」という描写から「典型的な脳性まひの症状といわれます。ただ、言語はきちんとしていたと書かれ、将軍継嗣や井伊大老起用などの対応からも頭はしっかりしていたと思う。うつけのふりということはなかったと思いますが」。
で、サラリーマンにも使える“うつけ”のふりの効用だが、「うつけを演じると、相手の警戒心を解くことになり、攻撃を受けにくくなる」と話すのは、心療内科の田中クリニック銀座(東京都中央区)の田中利幸院長。
田中院長によれば、うつけのふりは、対人関係のストレス回避にも役立つそうだ。たとえば、緊張した対人関係では、相手につけ入るスキを見せないよう心の中に壁を作る人が多いが、その壁が高ければ高いほど相手も激しい攻撃を仕掛けてくる。相手も自分を守ろうと、敵対心を膨らませるからだ。
「緊張に伴うストレスが過度になるとうつ病など、心の病に結びつきます。それを防ぐには、うつけを演じて心の壁を低くすることもひとつの方法です」
うつけとなれば相手は拍子抜けするほか、うつけ相手に攻撃し続けると、周囲の人から「イヤなヤツ」と思われかねない。そこで、自然に攻撃の手は緩められやすくなるというわけ。
ただ、うつけを演じるのもひと苦労。そこで、田中院長は「自尊心が高すぎるとうつけは演じにくい。自分を守るためにも、相手に対し少しだけ謙虚になって人間関係を構築する工夫を始めては」とアドバイス。
前出の楠戸さんも「最近は””おバカさん”が大流行ですから、うつけのふりもいいかもしれませんね」と太鼓判だ。「おまえはアホか!」といわれたら成功の証し。あなたもきょうからうつけ修業を―。

