この記事を読む方におすすめの記事
今!気になるレビュー
『オレたち花のバブル組』 池井戸潤著
「銀行小説」というジャンルがあるのかどうかは知らないが、銀行員出身の著者が、銀行を舞台に、銀行員の生きようを描いて、見事なエンターテインメントに仕上げている。
メガバンクの本店次長、半沢は、巨額損失を出した名門ホテルの再建を担当させられる。折しも、金融庁による検査が迫っていた。うまく切り抜けねば、銀行そのものの経営に響きかねない。だが、そこには銀行内部の派閥争いが絡むとんでもない不祥事が隠されていた…。
半沢のキャラクターが魅力的だ。400人も入行したバブル組同期の出世頭。金融庁の役人にも銀行の上司にも、ズケズケと言いたいことを言い、バンカーとしての「スジ」を通す。そして最後には見事に勝利をモノにする。だが、彼も所詮はサラリーマンなのだ。「正義」は決して万能ではない。それを示した結末は見事というほかない。 (文芸春秋・1750円)

