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『田村はまだか』朝倉かすみ著
「40歳」といえば、すでに語れる“人生”のひとつやふたつはある。もう若くはないが、決して枯れているわけでもない。過去の思い出が、ことさら懐かしく感じられるのもこの年代ではなかったか。
小学校のクラス会の3次会で小さなバーに流れてきた5人の男女。40歳になった彼らは、いまだにやってこない「田村」という男の同級生を待つうちに、自らの人生に思いを馳せる。同じバーにいる同級生との不倫がバレて離婚した女。高給取りで女の扱いにはなれているはずなのに、いまだに童貞の男。17も年下の少年に恋した高校の女教師…。みんな何か満ち足りない。
「田村」は貧しいけれど、いつも毅然とし、純愛を貫いた男だった。そんな思い出に浸っていたとき、田村が事故に遭い、重体という知らせが入る…。中年の青春小説というべきか? 読後感はじんわりと温かい。 (光文社・1575円)

