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日本の病巣~ひきこもる大人たち(14)脳の知的活動つかさどる前頭葉に負荷がかかり…
会社員たちはなぜ、体が動かなくなるのか。脳システム論の観点から、彼らが引きこもるメカニズムを解明するのは、諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授だ。
30―40代は、中間管理職になることが多く、上からも下からもプレッシャーを受けやすい。すると、脳の中で知的活動をつかさどる前頭葉にも負荷がかかる。
篠原教授は、前頭葉をわかりやすく会社組織に見立てるとすれば、外側が企画部長、目の部分が営業部長、内側が総務部長の役割を果たしている―と説明する。
「そのバランスが崩れると、会社として外に出ていけない。ある専門家は、企画部長が知の中枢、営業部長が情の中枢、調整をやっているのが意の中枢になると言っています。どこか1カ所破綻しても、すべてのバランスは崩れます。象徴的に表れるのは、総務の調整が効かなくなると、意欲に問題が起きること。実際、うつ病や強迫性障害、慢性疲労症候群などは、前頭葉の内側部の問題が中核だと考えられています」
詳細は、こうだ。うつ病の場合、前頭葉全体の血流が下がってきて、すべてがパワーダウンする。その内側部の前側にかかわるのが、うつ。後ろ側にかかわるのは、慢性疲労症候群だという。
「前頭葉の内側全体にある運動を命令する中枢の場所が破綻すると、動かそうとしても動かせなくなる。総務が壊れれば、どうあがいても給料は出ません。企画は立っても、総務の調整が効かなくなれば、パニックの状態になってしまうのです」
一方、前頭葉の前頭前野底部は営業。人の表情を読んだり、雰囲気を感じ取ったりする場所だ。営業は、外の状況を自分にとっての価値として判断。他人の価値にするために、どう対応するかを調整するという。
「ここが感じられなくなると、情の部分の判断が入ってこなくなる。知だけで全能感で突っ走ると、2次的な問題を起こしやすい。相手の不快を感じ取れない気質を抱えていると、心の痛みを伴わないわがままな引きこもりのタイプにもなります」
いずれにしても、引きこもりは、前頭葉のバランスがどこか壊れている可能性があるようだ。
次回、その要因を探る。
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