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日ハム・中田、このままでは球団に潰される
■江尻良文編集委員「球界に直言!」
日本ハム・中田翔の骨折珍騒動にはあきれ返る。左手首痛を訴えていたが、仮病扱いされ、1ヶ月間も放置されたあげく、「左手有鉤骨(ゆうこうこつ)鉤骨折」が判明して手術。4コマ漫画のような、にわかには信じられないような珍事だ。
「日頃の素行の悪さを改めるのが先決」というのが1ヶ月間放置した球団側の言い分だ。ルーキーなのに、練習は手抜き、毎日、提出すべき健康リポートさえ怠ける中田のいいかげんな態度に怒り心頭だったらしい。教育的な指導というわけか。が、そういうプロ野球をなめた言動を許してきたのは、他ならぬ球団、現場首脳だろう。
甲子園のスーパースターとして入団してきた話題のゴールデンルーキーをお客さん扱い。監督、コーチ陣が中田におもねるような接し方を実際に見て「大丈夫かな」と危ぐしたが、最悪の事態になったといえる。祭りの後の惨状だ。
プロデビューになった、沖縄・名護キャンプは中田を追うマスコミでにぎわい、スポーツ紙は連日のように1面。梨田監督も開幕から一軍を口にして中田狂騒曲が奏でられた。コーチ陣も中田をヨイショするだけ。これでは中田本人が勘違いしてしまう。おだてるだけおだてておいて、キャンプ終盤になって突然、監督、コーチが手のひら返し。三塁手として育成の方針が「三塁は無理だから一塁へ」、さらには「守るところがないからDH」とコロコロ変わり、オープン戦終了を待たずに二軍落ち。
これでは、「キャンプ、オープン戦で球界の話題独占して元を取ったからいいや」という、人寄せパンダ役のようなものだろう。キャンプの最初に頭を叩いてプロ野球の厳しさを教え込まずに放任しておいて、途中からハシゴを外して厳格主義では、中田も驚いたろう。
いったん増長してしまった若者は簡単には変われない。エース・ダルビッシュが「中田は一軍に置いておくべき」と首脳陣の一貫しない対応を批判、球団から厳重注意を受けたが、ダルビッシュ発言は核心を突いている。
日頃の素行の悪さは、最初に教育できなかった球団、現場首脳の責任問題だ。しかも、今回のようにケガを放置するのは論外だろう。
「もしも、この1ヶ月間も放置したケガが致命傷になって、野球人生が終わったら、いったい、誰が責任を取るのか。素行の悪いことと、ケガの問題は別だろう、球団のトレーナーがケガを誤診した事実は否定できない」と球界関係者は憤慨する。
キャンプでは清原二世と大騒ぎされたゴールデンルーキーが、札付きのワル扱いされ、タダの人以下に成り下がってしまった今回の珍騒動。「選手は球団の財産」というのに、球団が選手を潰しては話にならない。ダルビッシュが新人時代のキャンプでいきなり喫煙事件を起こし、謹慎処分。今は亡き寮長の愛情有る厳しい指導で飛躍のきっかけをつかんでいる。中田に対しても誰か教育的な指導が出来る適任者が必要だろう。
