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「言葉のタネ明かし」国産肉―豚肉、鶏肉の「湯桶読み」は最近のこと
中国産ウナギを国産と偽って販売していた事件は、食品すべてに対する信頼性を揺るがすことにもなった。もっとも、中国産が国産に化けた例は今回のウナギに限らない。「ひげだら」と呼ばれる高級魚ヨロイイタチウオやシロサバフグ、ワカメ、タケノコ、タマネギ…と、挙げていけばきりがない。
ところで言葉についても、私たちは案外“産地偽装”に気づかないでいる。典型的な例が「肉」だ。
「肉」を私たちはごく普通にニクと読み、ニクは当然訓読みだと思っている人が多いのではないだろうか。実は、ニクは音読みである。
だから豚肉をブタニク、鶏肉をトリニクと読むのは、「訓読み+音読み」の湯桶(ゆとう)読みということになる。広辞苑がブタニク、トリニクの読みを見出しに立てたのはそう古いことではなく、それぞれ第4版(平成3年)、第5版(平成10年)からである。それまではトンニク、ケイニクと読ませるだけだった。牛肉や馬肉がギュウニク、バニクと「音+音」で読まれることから考えれば、ブタニク、トリニクは統一を欠いた読みともいえようか。
いずれにせよ私たちは、“中国産”の「ニク」をてっきり“国産”だと思いこんでいた。もちろんこの件に関しては、中国による“産地偽装”は一切ない。
(産経新聞編集局校閲部長 清湖口敏)
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