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私鉄飛び込み300万円!? 自殺の重すぎる代償
10年連続3万人超となった自殺大国・日本。人身事故も後を絶たず、先週末もJR山手線に女性が飛び込み、10万人以上に影響が出た。人身事故や硫化水素自殺など、社会的混乱を招いた場合、遺族に損害賠償を求められるケースもある。突然家族を失った者の悲痛な叫びは重く、その死の代償はとてつもなく高いのだ。
【振替輸送費など】
警察庁がまとめた昨年の自殺者数は、前年より938人増の3万3093人。03年に次いで過去2番目に悪い結果となった。年代別の「自殺率」(人口10万人当たりの自殺者数)でみると、50代がもっとも高く、次いで60歳以上、40代の順だ。
残された遺族が受ける精神的ダメージは計り知れないが、一方で飛び込み、飛び降りなどでは交通網をマヒさせたり、避難者を出すようなことがあり事態は深刻。多くの人に迷惑をかけ、遺族にはより一層重い負担がのしかかる。
【JR東で年90件】
JR東日本管内だけでも過去5年間に起きた自殺とみられるホーム上の事故は449件、平均すると年90件、月に7、8件に。首都圏で発生する電車の遅れの3割以上は“飛び込み”ともいわれ、社会全体に与える損害は多大だ。
当然、遺族は鉄道会社に損害賠償を支払うことになる。
「当管内では年間平均20件(過去3年)。そのうち一番多かったのは約300万円」と話してくれたのは、ある私鉄の関係者。ただ、この金額は乗客への払戻金や振り替え輸送にかかった費用、車両の修理費のみ。本来見込めたはずの運賃収入は算入していない。乗客が増えるラッシュ時ともなれば、その賠償金はさらに膨れ上がる。
「遺族に請求しなければいけない会社側もつらい。金額は保険でまかなえない差額になるが、支払い能力的に難しいケースは多い」(同関係者)
【「硫化水素」は犯罪】
さらに人的被害を及ぼし損害が大きいのが、今年になって急増する硫化水素による有毒ガス自殺だ。
高知県の市営住宅では救助の男性が一時意識不明、住民90人が病院搬送、120人が避難。東京のホテルでも従業員ら2人軽症、宿泊客40人が避難した。宿泊施設の場合、当然、料金の払い戻し、他の宿泊先の確保など多大な損害をこうむる。
全国に賃貸物件をもつUR都市機構は、「事例はないが、もし避難者が出て費用負担が発生するような事態があれば、損害賠償請求も含め検討する」と話す。賃貸では、基本的には室内の修理費など原状回復が退去者(遺族)の負担だ。が、硫化水素自殺は犯罪。
警察庁は第三者に中毒症状などの危害を及ぼした場合、容疑者死亡のまま重過失障害容疑などで書類送検する方針。実際、先月、千葉のホテルで心中を図った男女2人が威力業務妨害容疑で逮捕されている。
早まるな! 残される遺族の苦悩は一生癒されない。
