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『五輪ボイコット 幻のモスクワ、28年目の証言』松瀬学著
1980年5月24日、モスクワ五輪の不参加を決めるJOCの臨時総会。毅然と「ボイコット反対」の挙手をしたのは松平康隆(バレーボール)や大西鐵之祐(学識経験委員、ラグビー)、清川清二(IOC委員)らしかいなかった。これに先立つ体協臨時理事会での大げんか。ボイコットに反対する清川に対し、体協会長の河野謙三が、「あんたの海外出張費はどこから出ているのか」と暴言を吐いた。つまり、税金から出張費が出ているのだから、「政府の言うことを聞け」という恫喝である。
結局、日本にはアメリカに逆らう度胸も見識もなかった。それが昔も今も変わらないのは対北朝鮮外交を見れば明らかではないか。
幻のモスクワ代表で金メダル確実といわれた高田祐司(レスリング)、山下泰裕(柔道)、瀬古利彦(マラソン)らの証言を交え、五輪ボイコットまでの軌跡を追ったドキュメント。 (新潮社・1575円)

