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五輪野球「タイブレーク制」はド素人2人組の発想

■江尻良文編集委員「球界に直言!」
 唐突に北京五輪でのタイブレーク制度導入を発表して、日本代表・星野仙一監督はじめファンまでを激怒させた国際野球連盟(IBAF)のシラー会長だが、予期されたこととも言える。

 というのも、シラー氏が会長に就任した際に、日本の球界関係者からこういう声があがったからだ。「米国人がIBAFの会長になったからといって、単純に『五輪での野球復活に追い風』などと書くなよ。赤ッ恥をかくからな。シラー氏は野球界とは全く無縁の軍人だからな」と―。複数の人間から警告されたのを今、思い出す。

 その通りだった。五輪の正式種目として最後になる北京五輪直前になって、「延長11回からは無死1、2塁で攻撃を開始する」タイブレーク制度導入発表は、まさに野球人でない、ド素人の発想だった。「なにか草野球みたい」とある日本代表選手が嘆いたが、ファンの大半がそう思っただろう。

 今年の日本プロ野球界はエコ推進のために、試合時間の短縮を打ち出し、スピード化促進のために、イニングの間の攻守交代時間もスコアボードに表示するなど、いろいろ工夫している。しかし、「時間短縮、野球はテレビ向きなスポーツであることを強調したい」という、シラー流にはシラーッとするしかない。

 さらにこのアイデアを提供したのが、IBAF第1副会長の全日本アマチュア野球連盟・松田会長だというのだから、あいた口がふさがらない。「時間短縮の何かアイデアがないか」とシラー会長に聞かれ、「日本の都市対抗野球ではタイブレーク方式を実施している」と教えたというのだから、まさに迷コンビと苦笑するしかないだろう。しかも、副会長なのに、今回発表されるまで、全く知らされずに寝耳に水のオチまでついている。

 この松田副会長は他の一件でも星野監督の怒りを買っている。最終的にはOKになったが、一時日本のある有名なスポーツメーカーのバット使用禁止が突然表面化したのだ。「日本のプロ野球でも使っているバットだし、中国の選手も使っているんだぞ。なんでダメなんだ。アメリカは何を言っているんだ。誰だ、このIBAFの会議に日本から出席していたのは? 松田副会長?」と怒り心頭に発したのだ。

 その挙げ句の果てが、今回のタイブレーク方式導入の大騒動だ。元軍人・シラー会長―元JRのお偉方の松田副会長の迷コンビぶりからしたら、北京五輪が終わるまでにまだまだ何か起こしそうだ。全く想定外の奇襲攻撃や脱線の恐れがあり、目を離せない。

 「今回の北京五輪で野球が最後になってよかったんじゃないの。この2人がいたら、どんな事態になるかわからない。米国に振り回されるのはWBCだけで十分だよ」。日本の球界関係者の言葉に思わずうなずいてしまった。

投稿日: 2008年08月03日

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