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「週刊 軍事情報」原油高騰の目に見えない影響
■週刊軍事情報
原油高の高止まりが続く。国際的指標の米国産標準油種WTIが最高値の約147ドルから120ドル台まで下落したが、原油高騰は軍事の世界ももちろん無縁ではない。
防衛省の燃料購入費は年間約1007億円。今年第1四半期は昨年同期比でジェット燃料40%、軽油は46%も値上がりしている。このままでは最悪の場合、10月以降に予算の大半を食いつぶして稼働できなくなりかねないという。
先月29日には赤星慶治海上幕僚長が、毎年秋に行っている「海上自衛隊演習」について「規模見直しや(初の)中止も検討しなければならない」とまで発言している。同演習は海自最大の実働演習で、「春に訓練を始め、この時期に最高潮に持っていく、いわば訓練の集大成」(海自幹部)にもかかわらずだ。
わが国は60年以上前に燃料不足で艦艇や航空機などを動かせなくなった経験がある。対米英戦争を始めたのは、南方の石油を求める余り米国から石油を禁輸され進退窮まってのこと。しかし南方からのオイルロードを寸断され国内の製油所も空襲を受け、敗戦時の国内保有量はわずか陸軍3万キロリットル海軍2万キロリットル。残存艦艇は動けず浮き砲台と化していた。
現代の自衛隊の場合、インド洋での洋上給油活動、防衛省提供=は予算内に収まっているものの、通常の燃料代については補正予算を組んで対応することになるだろうが、すでに影響も出ている。
海自は低速時には2軸あるスクリューを1軸停止するほか、訓練とは直接関係ない航海を減らしてもいる。空自は訓練空域まで経済速度・高度で飛行するほか、飛行回数も減らす。陸自も戦車を動かす際にはなるべく高いギアを使ったり、隊員の入浴の際に必要以上の追い炊き禁止の指示を出すなどしているという。涙ぐましい節約術だ。
ある海自幹部は「訓練とは直接関係ない航海でも、シーマンシップを鍛える効果もある。あまり減らすとボディーブローのように長期的には練度に影響が出てくるだろう」と危惧する。
燃料不足で動けず技量や練度も低下、という過ちを二度犯してはならない。
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