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「ときめきの富士」〈火の鳥〉 9月22日午後5時15分 富士宮市
或る年、台風が東海から関東一体で暴れまくった。
東京を出発したのは3時30分、その時は暴風雨のピークだった。雲の動きが早い。北へ行こうか、それとも西か、イメージが頭の中で錯綜する。空を追い掛けながら西へと突っ走った。
午後5時過ぎ、東名高速を降りて富士宮の町を北上していた時に雲が紅く輝き始めた。
「やばい! 町の中だ。撮る場所がない」
急いで近くの広場に車を停めた。画面の下は住宅が連なっている。だから、この構図しか撮れなかった。峰が輝いて西の空に青空が顔を出した時にいきなりクライマックスが訪れた。火の鳥が舞い上がる。いのちのエネルギーを全身に満たして。
一期一会のときめきの富士、秋嵐の情熱に魂が共鳴したときだった。
文・写真 ロッキー田中
