この記事を読む方におすすめの記事
今!気になるレビュー
「言葉のタネ明かし」けんけんがくがく―意味の違う2つの四字熟語"合体"
まだ駆け出しの校閲記者だったころ、先輩から「そんな日本語はないぞ!」と耳にタコができるくらい注意された言葉のひとつに「喧々諤々(けんけんがくがく)」がある。
マスコミ各社でもこの四字熟語については、「喧々囂々(けんけんごうごう)」と「侃々諤々(かんかんがくがく)」の混用表現だとして使わないよう指示するところが多い。「NHKことばのハンドブック」では明確に「正しい使い方とは言えない」と書かれている。
「侃々諤々」は遠慮することなく議論することであり、「喧々囂々」はやかましく騒ぎ立てることである。本来は意味の違う2つの四字熟語を“合体”させた「喧々諤々」を見出しに採用している広辞苑は、「多くの人がいろいろな意見を出し、収拾がつかない程に騒がしいさま」というふうに、「喧=やかましい」と「諤=直言する」の2字の意味を単純にミックスしたような意味を示している。
広辞苑のほか日本国語大辞典も、「喧々諤々」を正しくない言い方であるとは書いていないことから、今後はさらにこれらに同調する国語辞典が増えていくような気もする。
誤用かどうか、ケンケンガクガクの論議を期待したいところだが、今のところは公の文章などでは使わない方が無難であるといえようか。
(産経新聞編集局校閲部長 清湖口敏)
■その他の「言葉のタネ明かし」
教え子 賞味 夏バテ 国産肉
