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「日本一監督をWBC代表監督に」の名案ボツにした球界
■江尻良文編集委員「球界に直言!」
1日の実行委員会で中日が提案、賛同する球団もあったのに不採用になった、「日本シリーズに勝った監督を来年3月のWBC日本代表監督に」という明快な規定案。何事にも「あ・うん」の呼吸で採決一つ取らない日本球界を改革する絶好の機会だったのに、守旧派の巨人に引きずられる旧態依然の体質を暴露した。
「日本一監督イコールWBC監督」となった場合の効果を改めて考えてみよう。まずペナントレースの興味が倍加する。今年は勝負どころの9月に入っても、セ、パともにクライマックスシリーズ出場権争いは激化する一方だからだ。
WBC監督になれる候補はもっかのところ目白押し。セが首位の阪神・岡田監督、2位の巨人・原監督、さらに激しい3位争いの中日・落合監督、広島・ブラウン監督、ヤクルト・高田監督まで可能性がある。一人カヤの外なのは最下位を独走する横浜・大矢監督だけだ。
パも同様だ。首位を独走する西武・渡辺監督を筆頭に、こちらは2位から5位まで大混戦。ソフトバンク・王監督、オリックス・大石監督、日本ハム・梨田監督、ロッテ・バレンタイン監督まで5人が日本一監督になれる可能性を秘める。WBC日本代表監督に色気を持っている楽天・野村監督だけが取り残され、クライマックスシリーズ出場権獲得が絶望的なのは皮肉以外の何物でもない。
セ、パともに可能性のある5球団のそれぞれの球団関係者、ファンも残りのペナントレースを全力声援、さらに勝ち残ったクライマックスシリーズ、最後は日本シリーズと応援にも一段と力が入るだろう。「日本一監督イコールWBC監督」効果はまだある。「いつまでもONでは困る」とソフトバンク・王監督が言うように、日本球界の監督人材難解消にもつながり、世代交代も進むからだ。
43歳の新人監督、西武・渡辺監督が日本一になり、WBC日本代表監督をやるのも夢がある。働き盛りの50歳の阪神・岡田監督が日の丸を背負って日本代表の指揮を執るのもいいだろう。日本シリーズを制して日本一監督になれば、結果がすべての勝負の世界、選手たちも異論はなく、納得する。
しかも、WBCは毎年開催されるわけではない。第2回大会の今回は第1回と同じようにサッカーのW杯とかち合うのを避けるために、3年に短縮されたが、その後は4年に1回の予定になっている。4年に1回となれば、日本一監督でもWBC日本代表監督になれる機会は限定される。それだけの重みがあり、名誉になるだろう。
「星野監督は失敗したかもしれないが、それじゃ星野監督以外にいるか」と巨人・渡辺球団会長は北京五輪で惨敗した日本代表・星野監督の続投を支持したが、日本一監督をWBC日本代表監督にすれば、人材育成にもつながり、問題はない。
こんな名案をボツにして、星野監督を続投させるために、コミッショナーが有識者の意見を聞いて最終的なジャッジをするというのだから、球界に新時代は来ない。
