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DVD決めゼリフ「明日への遺言」

判決は御勝手にだ
 米軍にても都合のある事ゆえ

明日への遺言 第二次大戦中、墜落したB29搭乗米兵の処刑を指揮した、と戦後その罪でB級戦犯となった司令官・岡田資中将(藤田まこと)の戦争裁判を描いた作品だ。

 法廷もまた戦いだ。
 岡田は、信念に従った行為―と正当性を主張する。そんな彼が、拘置所で呟いたのがこのセリフ。戦勝国が裁く裁判の理不尽さを知った男の、洒落のきいた達観した言葉である。

 この裁判のポイントは、無差別爆撃は国際法違反であるという点。それを行った搭乗員は捕虜ではなく戦争犯罪人であり、それを略式裁判でもって処刑したというのが岡田の主張。

 驚いたことに彼の弁護人(ロバート・レッサー)は米国人なのだ。はたして正当な弁護になるのかと危惧したが、実にフェアな弁護を行い、被告の岡田に対して礼儀正しい心配りをする。

 岡田の主張を聞くうちに検事も裁判官も岡田に共感を示し始めるのだが―。

 傍聴席から見守る家族と岡田が、まなざしだけで交わすあいさつもまた心にグッとくる。まっとうな家族は言葉がなくても表情で思いが伝わるものなんだな。

 監督は『雨あがる』『阿弥陀堂だより』の小泉堯史。風景を写しながら抒情を描かせれば秀抜な監督だ。今回は拘置所と法廷という舞台なのに、小泉風の情緒豊かな作品に仕上げている。

 敗戦で虚脱した日本人が多いなか、主張すべき点を堂々と主張する、背筋の伸びた日本人の姿を見せてもらった。

2008年3月公開。本編1時間50分。発売・アスミック、4935円。

「明日への遺言」

投稿日: 2008年09月07日

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