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都会を抜け出して山で暮らそう 林業のススメ

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林業研修の様子
 日本の山林の荒廃を救うべく、林業の仕事を選択する働き盛りの30、40代が徐々に出始めている。なかには、都会育ちのビジネスマンから九州の山林での仕事に転じた人も。人材確保のアピールを続ける全国森林組合連合会などでは今週末の5、6日、東京で「森林(もり)の仕事ガイダンス」を開いて就業相談などにも乗る。山で暮らしてみたい、と考えている向きにはいいかもしれない。

 林業に携わる人は一貫して減り続け、しかも高齢化している。1965年には26万人だったのが、2005年にはわずか5万人。65歳以上の高齢者の割合も4%から28%に達している。

 「戦後、山は乱伐されて森林面積の約4割が人工林になったけれど、人工林は間引きなどの手入れが不可欠。手入れをしなければならないのは12年までに約330万ヘクタールにのぼり、それには5―7万人が必要です。これ以上人が減ると山が維持できなくなる可能性があります」と全国森林組合連合会担い手対策部長の田代俊也さんは訴える。

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栗原正英さん
 こうした現状を改善しようと5年前から同連合会などが取り組んでいるのが「緑の雇用事業」。林業に興味を持つ人の就業支援をするもので、首都圏など全国で「森林の仕事ガイダンス」を開いて情報提供や就業相談に乗る。さらに希望者は「緑の研修生」として就業のための職業訓練を受け、その後就業というコースが用意されている。

 これまでに約7200人が研修生になり、このうち約4700人が実際に就業した。30代と40代があわせて5割以上を占めており、貴重な戦力となっているという。大分県東国東郡森林組合で働く栗原正英さん(39)もその1人。

 東京生まれの栗原さんは2年前、父親の出身地・大分にIターンし、林業に就いた。同組合では、年間約1000立方メートルの樹木を切り出しており、栗原さんは下草刈りなど維持管理を担当している。朝8時から夕方までの重労働。マニュアルに頼って進められるような仕事でもない。それだけに経験を積んで一つ一つ覚えていく。「きつい仕事なのでがまんができるかどうか。でも、どんな仕事でもつらさをがまんして乗り越えていく場面は必ずある」と栗原さん。

 もちろん障害もあった。同じく田舎暮らしの経験のない妻(39)は強硬に反対。それを最終的に説得したのは「粘り」だった。

 「最後は折れてくれるだろうと考えたんです。普段の会話の中でも話をするようにして、最後は決めたから折れてくれ、と」

 金銭的な面もネックだ。前職はゼネコンで施工管理だったが、収入は4割ほど下がったという。

 「やはり一番苦しいのはお金の問題。田舎でもガソリン代など生活必需品にお金は必要だけど、(消費中心の)都会の生活をそのまま持っては来られません。子供の進学も含めて将来の心配の種ではあります」

 ただ、その子供と過ごせる時間が増えたというメリットも。以前は顔を合わせるのは週末だけだったが、今ではほぼ100%、共に夕食の卓を囲める。

 「仕事に時間をとられていれば、感じることもないのでしょうが、子供と向き合うと子育ての大変さも実感します。親の苦労もわかりました」

 山、自然が好きだからという人はもちろん、人生、生活を見つめ直すきっかけも林業は与えてくれるかもしれない。
     ◇
 5、6日に東京・赤坂の赤坂サカスで行われるガイダンスでは、関東地方1都6県への就業を中心にした相談ブースが設けられるほか、緑の研修生による体験談、オカリナ奏者・宗次郎さんのライブ演奏などが予定されている。参加無料。問い合わせは同連合会電話03・3294・9712。

投稿日: 2008年09月11日

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