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『10秒の壁 人類最速をめぐる百年の物語』小川勝著
北京五輪男子100メートルで、ジャマイカのウサイン・ボルトは「9秒69」という驚異的な世界新記録で金メダルに輝いた。ボルトは200メートルでもマイケル・ジョンソンの記録(19秒32)を12年ぶりに更新した。
本書によると、100メートルにおいて、トラックや選手が履くスパイクなどは、すでに極限まで「完成」されている。例えば、カール・ルイスのためにミズノが作った靴はギリギリまで軽量化されており、20回走ればもう使えない。後は選手のパフォーマンスの向上だが、手っ取り早いのはストライドを広げる(つまり足の長い選手)こと。そして、著者が、その可能性がある選手として挙げたのが、まだ10秒代の記録しかなかったボルトだった。慧眼というほかない。 (集英社新書・735円)
