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落ちこぼれサラリーマンの復讐劇『デフォルト【債務不履行】』
映画「七人の侍」を思わせる登場人物たち。新聞記者の宮島、変わり種プログラマーの江口、協立証券チーフエコノミストの沢田、名物ホストの角、伝説のカリスマディーラーでヘッジファンド経営の府中、宮島の恋人で日銀総裁秘書の莉子に、彼らが集う「バー関口」のオーナー、関口だ。
宮島は日銀金融記者クラブキャップで、財務省国際局次長のエリート・延岡が過去に認めた問題地銀への増資の安全を保証する裏念書を手に入れ、スクープ記事を書くが、日銀から圧力をかけられる。延岡は日銀総裁・藤井と閨閥の間柄。
他方、沢田はエコノミストとして正論を通すタイプで、自社の親銀行も関与している問題地銀の記事を書き、専務のエリート・吉沢ににらまれ、左遷される。宮島は沢田に記事を書く場を与えるが、再び、吉沢に知れ、退職勧告される。絶望した沢田は学友で吉沢の陰で糸を引く金融担当大臣飯豊の邸宅前で自殺する。
「バー関口」で宮島は沢田の復讐を提案し、府中、角、莉子や江口も賛同。府中は日銀のエリート行員・安藤から緊急監査で痛めつけられ、莉子はその安藤に執心され嫌っていた。
復讐は日銀を標的とし、金融機関にとって最も屈辱的なデフォルト(債務不履行)に追い込む綿密な計画を練る。デフォルトを回避したい日銀がある代償を宮島らに払うのがミソ。
「エリートどもよ、落ちこぼれサラリーマンの生き様をみてもらおうじゃないか」と最後に社に辞表を出す宮島のつぶやきがすべてを語る。
(文芸コラムニスト・長野祐二)
