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荷下ろし症候群―能力超えるノルマに「やーめた」

 今月1日、突然政権を投げ出し福田康夫首相。内外に難問山積の中、無責任との厳しい批判を浴びた。ところが、福田首相のような行動を取るビジネスマンが今増えているという。「無責任男」への対処法は―。

 「突然仕事を投げ出して会社を辞めたり、蒸発したりする行動は『燃え尽き症候群』や『荷降ろし症候群』の可能性が高い」と警鐘を鳴らすのは、山野美容芸術短大准教授で精神科医の岡田奈緒子さん。

 「燃え尽き」は高い理想を持ち仕事などに全力で打ち込んでいたにもかかわらず、その仕事がうまくいかなかったり、上司や部下などとの対人関係がうまくいかなかったりして身も心も疲れ果ててしまう状態のこと。その結果、心身に変調を来すのが特長。無気力や慢性疲労など他人から見ても明らかに分かるような症状がでる。

 一方の「荷降ろし」は「燃え尽き」と似ているが、目標やノルマを達成して一息ついても、これまでため込んでいたストレスがどっとあふれ出し無気力になる状態だという。

 福田首相の場合は「荷降ろし」だというのが岡田さんの見立て。洞爺湖サミットや内閣改造を乗り越えたものの、また臨時国会やテロ特措法の延長など眼前の新たな山に行き詰まった。

 さらに福田首相の前任の安倍前首相も同様のケースと思われる。「安倍前首相はもともと消化器系の疾患があったと伝えられるが、過度のストレスによりその病気が悪化し、体の他の部分に異常が起きた可能性が高いといえる」(岡田さん)

 こういう状態、首相だけではなく、一般のビジネスマンの間にも静かに広がっている。「ノルマの後にまたノルマというビジネスマンの間でもこういう症状は多く、最悪の場合は会社に来なくなったり突然逃げ出してしまったりということになる」(同)のだ。

 症状に陥りやすいのは、別表1のようなタイプ。管理職か否かにかかわらず、責任感が強いだけに、自分の能力を超えると追いつめられ、耐えきれず「やーめた」となる。医師、教員、政治家など重責を伴う職業に多く見られる傾向がある。

 そういう危険性のある人を見抜く方法はあるのか。
 「予兆はあります。明らかに今までと違う状態になっているので、周囲は気をつけてあげてほしい」(同)。別表2のような状態に陥ったときには周囲の声掛けが非常に大事だという。

 「ただし、『体調が悪いんじゃない』とか『心配事でもあるのか』などとあくまでも相手を思いやるような言葉を。ミスがあったからといって強くしかるようなことは厳禁です」(同)

 岡田さんによると鬱(うつ)病は人口の3―5%いると推定されている。380万―640万人という膨大な数だ。燃え尽き症候群などがどのくらいいるのかはっきりしないが、鬱病のきっかけの1つにもなり近年増えているので気をつけてほしいという。

 鬱になれば判断力がなくなり最悪の場合は自殺というケースだが、燃え尽き症候群でも衝動的に自殺する人がいるので、もし自分や周囲に心当たりがあれば早めに精神科や心療内科などの心の専門医に相談した方がいい。
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【燃え尽き症候群になりやすい人】
●物事に融通が利かない
●1つのことにこだわりすぎる
●まじめで几帳面、神経質
●人の意見を聞かない
●1人で決めて思い通りに行かないと怒る
●生活が規則正しく、趣味や話し相手もいない
●周囲からの高い評価や昇進を強く望む

【燃え尽き症候群の予兆】
●いつもに比べぼーっとしている
●落ち着きがなくなっている
●表情に活気がなく目がうつろ
●1人で考え込んでいる
●ミスが多くなる、注意力が散漫になる
●人の話を聞かなくなっている
●「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」は減る

投稿日: 2008年09月30日

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