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燗焼酎と女3人 アツ~い1年

life20081003_06.jpg 昨今の焼酎ブームを支えたのは、実は女性だったというのは知る人ぞ知る話。しかも、それまでくさいと敬遠された芋焼酎さえけっこう好まれ、今やすっかり定着したが、燗をつけて飲むスタイルはまだ、かなり異色の存在だろう。そんな燗焼酎を1年がかりでつくったアツイ女性たちがいる。

 前史がある。2006年11月、熊本の球磨焼酎蔵元・松の泉酒造が熱燗用焼酎として「男の原点」を発売した。球磨地方ではかつて焼酎を、ガラという器で燗をつけてチョクと呼ばれるおちょこで飲んでいた。焼酎ブームの中で、焼酎の味が軟弱になったという指摘もあった。昔ながらのガツンとくる焼酎を飲みたいという声が上がり、「男の原点」が開発された。

 「男があるなら女があってもいい」と、女性バージョンの開発が始まったのが昨年7月。女性による女性のための本格燗焼酎を世に問おうと集まったスタッフは、東レ宣伝室長、幼方(うぶかた)聡子、グラフィック・パッケージデザイナー、赤羽なつみ、アーティスト、カナイヒロミの3氏から。

 「男の原点の開発メンバーは男だけ。それぞれが1人ずつ女性を連れてこようということで集められた3人が私たちです。気がついたら、みんなお酒がイケルくちでした。とりあえず、酒を造っているところを見に行こうと、九州まででかけました」

 そこで見たのは、日本の原風景のような桃源郷だった。四方を山に囲まれ、独自の文化が育った人吉地方で、良質の焼酎がはぐくまれていた。

 「目の前の田んぼで取れた米でつくった焼酎を飲み、相性のいい馬刺しなど地の食べ物を食べました。驚いたのは周囲の人たちが蔵元の井戸水を汲みにくるほど水がいい。そして、歴史を感じる蔵でワインを寝かせるように焼酎を寝かせるんです。その蔵で焼酎を預かってくれます。お子さんの生まれたときに造られた酒を、孫が生まれたときに飲むという人もいた。こんなスローフードな文化を体験してから開発作業に入ったんです」

 開発にあたって3人の共通認識が生まれた。

 「味も瓶の色や形やパッケージも、演歌チックな感じは避けたかった。色気ではなく、スッと生きている女性を出したかった。飲み口さっぱりを目指し、ブレンドしてはテイスティングを繰り返した結果、不思議なことに3人の選んだ味が同じでした。3人はそれまで見ず知らずの間柄だったのに」

 名前は「女の器量」と決まった。味はマイルドに、アルコール度数も20度に抑えた。ラベルも「女」の文字はやさしい書き文字を使用。びんもパッケージも武骨一点張りの「男の原点」とは好対照だが、セットでよく映えるもの。720ミリリットル1700円で、日本橋三越本店などで販売中だ。

投稿日: 2008年10月11日

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