この記事を読む方におすすめの記事
今!気になるレビュー
予備役が左右する継戦能力「週刊 軍事情報」
第2次世界大戦では、五輪メダリストも多数戦死している。なかでもロサンゼルス五輪馬術金メダルの西竹一・陸軍大佐が有名だが、ロス五輪では競泳自由形で河石達吾・陸軍大尉が銀を取っており、同じ硫黄島で戦死している。河石大尉が戦死したのは、予備役から再度召集されてのこと。この予備役の存在いかんで軍隊の強さも左右されるのだ。
8月30日、靖国神社遊就館に「戦没スポーツ選手」のコーナーが設けられた。そこで取り上げられているうちの1人、河石大尉は1911年、広島で生まれ、修道中から慶応大に進み、3年の時メダルを獲得。その後召集され、5年近い現役を少尉で終えて予備役に入るが、44年6月末に再び召集。中尉として派遣されたのは硫黄島だった。所属していた独立混成第17連隊第3大隊は、大隊長以外は応召の予備役で、下士官や兵には召集が4―5回に及ぶ者もいたという。
予備役というのは、現役を退いたが軍人としての籍はまだあり、有事や訓練の際には軍隊に戻る。有事の際に死傷した現役を補充する役割がある。
現役と予備役の比率は国により違うが、極端な例はイスラエルと日本だろう。イスラエルの人口はわずか約705万人なので、常時大兵力を維持するのは不可能。そのため現役約17万7000人に対し、予備役が約40万8000人もいる。予備役は大半が72時間で動員可能だ。
自衛隊は予備役を即応予備自衛官、予備自衛官、予備自衛官補の3段階に分けているが、現役約25万人に対し、約5万9000人と極端に少ない。
予備役を増やしたいのが本音であろう。しかし「やはり先立つものがない」(元陸将補)うえ、国民の安全保障に対する考え方からしても難しい。予備役は定期的に訓練=写真=が必要で、所属する企業などを休む必要があるため、国民の理解が不可欠だからだ。予備役が少ないということは継戦能力が低いということ。いざ合戦が始まればあっという間に戦闘が継続できなくなる可能性が高いのだ。
