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人格障害―過大な自己愛が狂気に
今年3月、茨城県土浦市で8人が殺傷された事件の容疑者が、「自己愛性人格障害」との精神鑑定結果が出た。どんな障害なのか。
「その人格が標準レベルから大きく外れ、社会生活に障害を来すものが人格障害」と、心療内科が専門の田中クリニック銀座(東京都中央区)の田中利幸院長は説明する。
妄想性人格障害や反社会性人格障害、回避性人格障害などあるが、自己愛性人格障害は2タイプある。
日本に多い「無自覚タイプ」は、母親の過保護で、「私は特別」と思い込み、厚顔無恥、誇大表現、強い顕示欲を持つ。米国に多い「過剰警戒タイプ」は、親の愛情を受けず、ほめられずに育ち、「自分は本当はもっとすごい」と自尊心を取り戻そうするのが特徴。
「自分は特別、と信じるのが共通項。才能があると自己認識する半面、周りの人には理解できないと感じています」(田中院長)
他人には、軽率で横着、周囲に思いやりがないと映る。本人は自己中心的に考え、傲慢、尊大、横暴、他人への軽蔑的な態度を取る。無自覚ゆえに、職場などで対人関係は悪化の一途をたどりがちという。
自己愛性人格障害の診断基準として、(1)自分は特別重要な人間(2)限りない成功、権力、才能、美しさにとらわれ、何でもできる(3)自分が特別で独特。一部の地位の高い人しか理解しない(3)過剰な賞賛を要求(4)特権意識を持つ(5)目的達成のため、相手を不当に利用する(6)他人の気持ちや欲求を理解しない(7)他人に嫉妬し、他人は自分を妬む尊大で傲慢な態度、行動―。この8点のうち、5つ以上あてはまると、治療が必要になる可能性が大。
コミュニケーションがうまくいかないだけに、治療も難しいが、田中院長は「他人と継続した人間関係を築けないのは、自分に原因がある、と謙虚になることが必要」と指摘する。
自分の中の過大な自己愛に注意、だ。

