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F1、新星の初優勝が爽やかなワケ

 セバスチャン・ベッテルが見事なレースで史上最年少ウイナーとなり、“元ミナルディ”のトロ・ロッソに初優勝をもたらしたイタリアGP。その表情にあどけなさすら残る21歳の快挙が、最近ちょっとギスギスした雰囲気が漂っていたF1界に爽やかな新風を吹き込んでくれた。

 「子供の頃からF1ドライバーにあこがれ続けてきて、今、自分がここにいるだけでも幸せなのに、予選ではポールを獲得し、優勝までしてしまうなんて…」と嬉しそうに語るその姿に誰もが惜しみない拍手を送り、「新星」誕生を祝福した。

 雨の予選での素晴らしい走り、そして決勝レースでの落ち着いたレース運び…ベッテルが類まれな才能の持ち主であることは間違いない。だが、それ以上に気持ちいいのは、彼が今、純粋に「速く走る」ことを楽しんでいて、貪欲さやしたたかさとは無縁な若々しさを感じさせることだ。

 ちなみに、モンツァのレースではルイス・ハミルトンの「強引なドライビング」が問題となっていたが、スパでのペナルティーには強い憤りを感じた筆者も、今回のハミルトンのやり方には「ちょっとなぁ…」と感じた。

 いや、チャンピオンを狙うなら、あのくらいの貪欲さは必要なのだろうし、かつてのセナやプロスト、シューマッハーだって、決して「クリーン」なドライバーじゃなかったから、当然なのかもしれない。

 だが、正直、最近のハミルトンは「黒いセナ」と呼びたくなるほどの殺気が漂っていて、ちと怖い。そんなワケで爽やかな新星の活躍がいっそう「一服の清涼剤」に感じられるのかもしれない。
(F1ジャーナリスト 川喜田研)

投稿日: 2008年10月02日

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