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大腸がん(下)野菜の抗酸化物質で予防
前回はアメリカ人は野菜を食べるようになったことで大腸がんが減った話をしたが、今回はその理由を説明しよう。結論からいうと、野菜にたくさん含まれる「抗酸化物質」が大腸がんを予防してくれるのだ。
私たちが呼吸で取り込んだ酸素のほぼ1%が体内で「活性酸素」になる。この活性酸素が持っている非常に強い酸化力が遺伝子を傷つけ、突然変異が起きると正常な細胞ががん細胞に変わる可能性がある。野菜を食べると抗酸化物質が活性酸素の酸化力を抑えてくれる。
ここからは進化論の話になる。炭酸ガス(二酸化炭素)を吸収して酸素を放出している植物にとって、酸素は不要というよりは毒ガス。その酸素が多い地上で植物が生き残るために手に入れたのが、酸素と闘うための抗酸化物質だった。
ところで、日本の厚生労働省もアメリカと同じように、国民に1日350グラム以上の野菜を食べるように勧めている。しかし、1日350グラムといわれてもイメージできないのではないだろうか。そこで、アメリカ政府は「five a day(1日に5皿)」というスローガンを掲げた。1皿の野菜は70グラム以上はあるから、5皿食べたら350グラムをクリアできる。
最近の調査によると、日本人は1日に平均285グラムの野菜を食べているので、350グラムに65グラム不足している。65グラムなら1皿分。したがって、毎日1皿余計に野菜を食べればよいことになる。明日といわず今日から、朝、昼、晩のどこでもいいから野菜を毎日1皿余計に食べるという生活習慣を身につけることが大腸がんの予防になる。
(新渡戸文化学園・短大学長)
