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「血管内治療」の名医は後進の指導も余念なし

■ブラックジャックを探せ!
虎の門病院(東京都港区)脳神経血管内治療科部長 松丸祐司医師(46)

life20081003_08.jpg 進化を続ける近代医療の中でも、近年特に進化が著しいのが「血管内治療」。今回紹介する松丸祐司医師は、脳の血管内治療の分野で日本を代表する存在だ。

 脳に血液を送り込む頸(けい)動脈にできた狭窄(きょうさく)症に対して、バルーンで血管を内側から拡げ、その部分にステント(金属の筒)を留置することで再狭窄を防ぐ治療。そして、脳動脈瘤の中に血管内から細いコイルを詰めて破裂を防ぐ治療の二本柱で、脳卒中の予防と治療に取り組む。

 「人の心や精神に興味があったから」と脳神経外科を専門に選んで4年目、当時まだ揺籃(ようらん)期だった脳血管内治療に巡り合う。
 「治療に伴うダメージの小ささは開頭手術の比ではない。ただ、ここまで進化するとは正直言って考えていませんでした」と話すように、脳血管内治療はこの十数年で飛躍的に進歩する。

 例えば頸動脈狭窄症ステント留置システムは、単にステントをセットするだけでなく、処置をする部分の先にネットを広げて、万一血栓が流れて行っても、その先でキャッチするという、安全性の高い治療法。内径わずか5~10ミリの血管の中で、かくも大がかりな医療が展開されていることを知れば、治療を受ける患者でなくとも驚き、感動する。

 しかし、松丸医師はいう。

 「最新技術というものは、1人の医者が持っていても意味がない。日本中の脳外科医の誰もがこの治療をできるようにしたいんです」

 その言葉通り、忙しい臨床と並行して、後進の指導に余念がない。

 話していても功名心は感じられず、患者のため、日本の医療のために自分ができること―を模索する真剣な姿勢だけが伝わってくる。

 医療崩壊が叫ばれる中、医療費削減ばかりを唱える国も、偏った権利意識を振りかざす患者も、松丸医師のような本当の意味での患者目線の医師を、もっと大切にすべきだろう。
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まつまる・ゆうじ
 1962年兵庫県生まれ。87年筑波大学卒業後、97年同大学院を修了。仏・パリのビセットル病院に留学後、国立水戸病院、筑波大学臨床医学系脳神経外科講師を経て2004年より虎の門病院脳神経血管内治療科部長。日本脳神経血管内治療学会理事および指導医、日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医。

投稿日: 2008年10月12日

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