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人間国宝・一龍斎貞水さんの座右の書は
仕事に関連した、仕事に役立つ本をよく読みますね。なかでも若いころ読んだ正岡容の小説『円朝』は座右の書。落語家、三遊亭円朝の生涯を講談にしたいと読んだのですが、名人円朝の芝居噺が歌舞伎との関連が深いことを教えられました。
読み直すうちに、私が力を入れている「立体怪談」も円朝の芝居噺、歌舞伎とのつながりが強いことに気づきました。著者は桂米朝さんに落語家になることを勧めた人で、私も東宝名人会の楽屋で謦咳に接したことがあります。
今も古書会館へ出かけると、昔の講談速記本を無理してでも買います。後輩にも役立ちますので。
長谷川伸『瞼の母』や菊池寛『仇討新八景』などは講談にしましたので、やはり仕事絡みの読書です。ほかに、モーパッサンの名作『首飾り』を読み、講談にしたことがあります。
もともと雑読で、松本清張『点と線』を読み、横溝正史とは違うなと思ったりという風です。高座生活53年で、自著に『心を揺さぶる読み方』など、CDに「四谷怪談」(全5巻)、「赤穂義士本傳」(全15巻)があります。 (人間国宝・講談師)
