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美味で安くて栄養満点 バナナ意外な来歴

 朝食バナナダイエットの大ブームで店頭から姿を消したと大騒ぎのバナナだが、考えてみれば、物価の優等生だし、栄養価満点。痩身術などと関係なくてもお付き合いしたいもの。で、意外に知られていないバナナの来歴を紹介したい。

 まず、消えた消えたと騒ぎのバナナがスーパー店頭で、何円ぐらいで売られているかご存じだろうか。
 5~6本ついた1房がだいたい100円から300円というところ。ちなみに、その形状から1本をフィンガー、1房をハンドという。

 ご存じの通り、かつてバナナは高値の花で、お金持ちか入院したときしか食べられないと言われたもの。「昭和30(1955)年ごろ、大卒初任給が1万円弱の時代に、1房250円だったそうです」と日本バナナ輸入組合。なるほど、当時としては高値だが、ずっと変わらぬ物価の優等生だ。

 同組合によると、日本にバナナが商業輸入された最初は1903年。当時は日本の植民地だった台湾からやってきた。大正後期には貿易港だった下関で、いわゆるバナナの叩き売りが始まり、アッというまに全国に広がった。

 戦前のピークは年14万トン強。戦後は50年か輸入が再開されたが、外貨不足のため、制限付き。まだまだ贅沢品の時代が続く。

 自由化は63年。

 「まず、バナナ先進国のエクアドルなどから入って来ました。しかし、自由化の数年前から、日本に近いフィリピン政府が輸出推進策を決定。プランテーション開発や港湾・道路の整備を進めており、やがて、フィリピン産が増えていくのです」(同組合の林晃二事務局長)。輸入先の推移は別表の通りだ。

 80年代半ば、発足したばかりの韓国プロ野球チームが春季合宿で日本にやってきた。当時の韓国ではまだ輸入制限品だったせいで、「日本ではこんなに安いのか」と選手たちがバナナに群がったと話題になった。

 ところが日本人の方はもう自由化の“恩恵”は忘れてしまったのか、統計を見ると、そのころは自由化以来の最低水準、50万トン台に落ち込む輸入量だった。

 「まあ、そのころはエルニーニョによる不作の影響もありましたが、業界あげて、値段が安いことや栄養価が高いこと、スポーツ時にも食べることができる機能性などバナナの良さの啓蒙を始めたのです」と林さん。

 96年には、バナナに免疫力を高める効果があることが日本癌学会で発表され、話題になった。最近の健康志向、ダイエット志向の中でも、バナナは注目を浴び続けている。現在、国内消費量の99・9%が輸入物で、その数量はちょうど100万トンだ。

 林さんは、「今回の品切れ騒ぎは近年ではない盛り上がりではありますが、業界の取り組みが実ったひとつの表れだとは自負しています。組合でも今年、“朝食にバナナを”というキャンペーンをしています。ダイエットでなく、多くの若い人たちが朝食を食べないという対策の提案です。また、年後半には受験生向けに、脳の活性化にいいバナナをアピールします。ようやくバナナは、嗜好品から、生活必需品になりつつあるのかなと思っています」と話している。

投稿日: 2008年10月14日

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