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洞口依子「"フェンスの先"憧れは今」

■洞口依子、おつかれさま
 たまにはいい
 夫婦で初めて歩く道

-fuji.com/images/life20081003_03.jpg" width="159" height="240" align="left" hspace="5" vspace="5"/> ある休日、久しぶりに夫婦でドライブをした。
 車の窓を全開にして、車を西へ走らせた。車は甲州街道の欅並木を走る。

 私が子供の頃によく家族で行き交った谷保天満宮を過ぎると、奥多摩街道を抜け、国道16号に出た。そして右に見えてくるのはフェンス向こうのアメリカ。

 カリフォルニア州に属する横田基地。私は幼い頃から三多摩周辺で育っているせいか、いつも低空飛行する迷彩柄のC130輸送機やフェンスの向こうの緑の芝生に建つ白いアメリカンハウスを見て育った。夫は父が空軍パイロットだったせいで、別の意味でのフェンスの内側で育っている。お互いフェンスの向こうとこちらの世界に懐かしさを感じ交歓しあう。

 狭山アメリカ村には当時、細野晴臣らが音楽仲間と住んでいて、その家を見に行ったことがあると夫が話す。私は横田基地のゲート前あたりにあった双葉ドライブインの屋上で米軍機を見に出かけたことが懐かしい。

 いつもなら、目的地に慌てて向かう車を止めて基地前のゲート通りを歩く。あの頃の面影はもうない。刺繍屋さん、やけに横に長い米軍放出家具店、双葉ドライブインももうない。ニコラピザは健在だったけど。

 団塊世代が夢中だったアメリカ文化。彼らは基地のフェンスの向こうに何を見たのだろうか。音楽、小説、ファッション。

 フェンスのこちら側で団塊世代が憧れたアメリカはもうない。私たちは団塊世代ではないけれど、それぞれのフェンス越しの思い出を語る。

 少し冷たい風をそれぞれの頬に、秋の訪れを感じながら。

投稿日: 2008年10月14日

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